システムエンジニアの一般的イメージは「ハッカー」だが、実情は「のび太くん」である

システムエンジニアって、映画に登場するハッカーみたいなのだと思ってたりしませんか?

黒のパーカーを着て、痩せてて、ピザ食いながら暗い部屋でたくさんパソコン並べてカタカタやってる的な。パソコン画面には黒背景のウインドウがいくつも並び、カラフルな細かい英数字で書かれた「コード」を目にもとまらぬスピードでタイピングして書いていったり、別のウインドウでは目にもとまらぬスピードで何やら文字が流れている的な。

←なんかこんなん

映画『ソーシャル・ネットワーク』の影響で、マーク・ザッカーバーグっぽい感じを思い浮かべる人も多いかも。

個人的には、夜の大学で秘密裏に行われていた、10分以内にWebサーバーへ侵入して管理者権限を奪う競争が印象的でした。プログラムを10行書くごとにウイスキーシングル一杯、3分ごとに一杯、って酩酊しながらもセキュリティを破っていく、、、、すげぇ。このひとたち天才なんだ、って思いました。あの映画に登場するような、ハーバード大でマーク・ザッカーバーグとハッキング競争していた人たちは本当に天才ですが、あれが一般的なエンジニアの姿だと思ったら大間違いですよってことです。凡人なめんな!

 

実際は、あれとは全然ちがいます。そんなカッコイイもんじゃないですよ。

私はエンジニア歴 12 年ですが、実感としては「のび太くん」が一番近い。

←実際はこう

別に、私がドラえもんがいないと何もできないのび太くん似の女って意味じゃないですよ。そういうのホントやめてください。いじめカッコ悪い。

じゃなくて。

システムエンジニアという職業についている人の大多数が、のび太くん的であるという話です。

のび太くん的ってなんやねん、とツッコミが聞こえてきそうなので先に説明しておきます。

システムエンジニアは、ひとりでは何もできない。そういう意味で、ドラえもんがいないと基本何もできない「のび太くん」的である、という意味です。

 

マーク・ザッカーバーグからのび太くんって、落差激しすぎで精神的に骨折しそうですが、現実なので受け入れて前に進んでいきましょう。

ちなみに、私はコミュ障ぼっちでフリーランスのエンジニアをやっています、34歳です。私のプロフィールに興味を持ってくださった方は、ページ下部の筆者紹介、Twitter(@suekiaoi)やInstagram(@aoi.sueki)などからご確認いただければと思います。

 

システムエンジニアは、ハッカーでもプログラマでもない

システムエンジニア=プログラマーと思っている人も多いですね。この辺の違いを、先にパパっと解説しちゃいましょう。

ひとくちにシステムエンジニアといってもいろいろ種類があります。

大きく、従来型、先端型に分類されます。

従来型と先端型の2つに分ける理由は、どっちに属するかで年収がぜんぜん違うから。この辺の話は以前記事にしたので、興味がある人は見ていってください。

システムエンジニアの年収幅が異常な理由(300〜1500万円)

 

ここでいうと、プログラマは従来型の中でも年収が低い「開発エンジニア」のひとつに含まれます。

なぜ年収が低いかと言うと、プログラマは「下流工程」の仕事だからです。システム構成やシステムの設計を決める、より上流の工程は、狭義のシステムエンジニアが担います。上流の方が、システムに与える影響が大きく、影響が大きいということは付加できる価値も大きくなるということです。

つまり、上流工程の方が付加価値の高い仕事をしやすい、と言えます。

 

従来型(年収500万円くらい)

  • 狭義のシステムエンジニア(年収800万円)
    • プロジェクトマネージャー:予算や人員の選定
    • プロジェクトリーダー:現場の管理
    • ブリッジSE:海外との橋渡し
  • 開発エンジニア(年収400万円)
    • プログラマ:コーディング
    • フロントエンジニア:WEBサイト・アプリの見た目を担当
    • 組み込みエンジニア:車や家電の開発
  • インフラエンジニア(年収800万円)
    • ネットワーク:通信、リアルタイム
    • サーバー:OS、マシンスペック、ミドルウェア等
    • データベース:DB設計、SQL
    • セキュリティ:認証、ネットワーク
    • クラウド:アーキテクチャ
    • バックエンド:WEBサイト・アプリの裏側
  • その他(年収300万円)
    • セールスエンジニア:営業もできる
    • WEBデザイナー:Photoshop、Illustrarorつかう
    • マークアップエンジニア:HTML/CSS/JavaScript、PHPつかう
    • テストエンジニア:テスト仕様書、テスター
    • フィールド(サービス)エンジニア:運用保守
    • 社内SE:社内のヘルプデスク

先端型(年収1000万円オーバー)

  • データサイエンス:ビッグデータの収集・クレンジング・分析
  • AI:機械学習
  • IoT:センサー→ビッグデータ収集
  • X-tech(クロステック):Fintech(金融)、REtech(不動産)、AdTech(広告)
  • アジャイル開発/DevOps:Docker、テスト自動化・CI/CD
  • AR/VR:CG、3D
  • ブロックチェーン:暗号化
  • 自動運転/MaaS:機械学習(深層強化学習)
  • 5G:高速大容量、多接続ネットワーク

 

じゃあハッカーは何やねん、というと、上記の中であえて言うなら、一番近いのは「セキュリティ」だと思います。認証やネットワーク、暗号化などの知見があり、その知見を裏手にとってセキュリティを破るのが仕事(?)だからです。

ただまぁ、ハッキングとかする人は技術大好きっ子が多いと思うので、今日日、先端型も当然のように極めている人が多いと思います。AIやブロックチェーンも熟知していて、暗号解読するAIを作っている人とかいるらしい。こわやこわや…

 

システムエンジニアの大半は、ドラえもんがいないと何もできない「のび太くん」だと言う理由

システムエンジニアがのび太くんなら、ドラえもんは何か?

それは、Google(検索エンジン)です。

 

一般的なシステムエンジニアの仕事をざっくり書いてしまいますと、以下のようなことをやっています。

  1. 顧客(ユーザー)から「◯◯みたいなの作って」と言われる
  2. システム構成と事例を調べる(今日日、新規はほぼクラウドなので AWS か GCP か Azure のどれかを使う)
  3. 事例をもとに実装方法を調べる
  4. コピペしながら実装して、動かしてみる
  5. エラーが出たら解決方法を調べ、またコピペして試す(エラーなく動くまで繰り返し)
  6. プロト版作ってみました、と言って顧客に見せる
  7. 「ここをこう直して…」と具体的な仕様を詰めていく
  8. 3〜7の繰り返し

プログラミングはプログラマに依頼するとか、インフラ周りは得意な人に相談する、という人もいるかもしれませんが、基本はこんな感じ。

ちなみに私は手伝ってくれる人や相談できる人が周りにいないので全部Google先生とマンツーマンでやらせてもらってます…….だれか、手伝いたいよって人はTwitter(@suekiaoi)までDMください。切実にお待ちしております。

 

話がそれましたが、要は、Googleがいないと 2 〜 5 の仕事ができない、ってことです。つまり、何もできない(爆)

もっというと、システムそのものも、GCP(Google Cloud Platform)上でGoogleのリソースを借りて動いており、ソースをのせるフレームワークや、ソースに組み込むライブラリも自分で作るのではなく、オープンソースで全世界に公開されていて、世界中のエンジニアたちが日々改良・メンテしているソフトウェアを使っています。

ゼロからすべてを手組みで作れるエンジニアなんていないんです。

 

仕事を頼まれたら、ドラえもんに泣きついて(=ググる)、ドラえもんにひみつ道具を出してもらう(= XaaS やオープンソースの利用)のです。だから、のび太くん。

中にはもっとすごい人たちもいると思いますが、少なくとも、私は自分のことを「のび太くん」的システムエンジニアだと認識しています。

 

いわゆるハッカーは、システムエンジニアの中でもトップオブトップな人たち

『IT人材白書2020』の中にとてもわかりやすい表を見つけました。

いわゆる映画に登場するような「ハッカー」は、この表の「エキスパート」のレベルだと思って差し支えないと思います。

 

この表は、AI人材(先端型の中でもAIが得意な人たち)を、「エキスパート」と「ミドル」にレベル分けしています。

乱暴に一言でまとめると、エキスパートと呼んでいいレベルは博士だけ、ってことです。それ以外は、全員ミドルですよと。

※博士ってマジの博士ですよ。博士号ですよ。Ph.D. ですよ。

出典:IT人材白書2020(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)

 

中にはレベルの低い、悪いハッカーも中にはいるかもしれません。博士号なんか持ってない人もいるかもしれません。(子供のハッカーとか)

ただ、博士号を持っていなくても、少なくとも論文を読んで理解できるレベルの知見を持っている人が、世間一般の「ハッカー」のイメージに近いんじゃないかと。で、私は普通に12年間エンジニアやってますけど、ハッカー(もしくはマーク・ザッカーバーグみたいな人)には会ったことがありません。暗い教室で開催される秘密のハッキング大会にも参加したことありませんし大学にいた頃も聞いたことありません。

 

まとめ

  • システムエンジニアは、ハッカーでもプログラマでもない
  • システムエンジニアの大半は、ドラえもんがいないと何もできない「のび太くん」である
  • いわゆるハッカーは、システムエンジニアの中でもトップオブトップな人たちである

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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それでは!

末岐 碧衣
  • 末岐 碧衣
  • フリーランス のシステムエンジニア。独立後、一度も営業せずに月収 96 万円を達成。1986年大阪生まれ。早稲田大学理工学部卒。システムエンジニア歴 12年。
    2009年、ITコンサルティング企業に入社。3年目でコミュ障が爆発し人間関係が崩壊。うつにより休職するも、復帰後はコミュ障の自覚を持ち、「チームプレイ」を徹底的に避け、会社組織内においても「一人でできる仕事」に専念。社内外から評価を得た。
    無理に「チームプレイ」するよりも「一人でできる仕事」に専念した方が自分も周囲も幸せにできることを確信し、2015年フリーランスとして独立。