[不動産投資][法人] 一番お得な減価償却方法を知りたい! 具体的なシミュレーションの仕方(実例あり)

どうも、末岐碧衣です。

前回、「[不動産投資] 不労所得でホクホク顔の新米大家さんが知らない破産・黒字倒産のリスク」で、黒字倒産しないためにもデッドクロスが来る時期をきちんとシミュレーションしておく必要がある、という話をしました。

今回は、デッドクロスが来る時期をシミュレーションするための、シミュレーション(どんだけシミュレートするねん笑)、減価償却の仕方について、解説していきます。

リノベーション(リフォーム)費用や、中古物件で耐用年数が過ぎている場合はどのように減価償却費を計算するかなど、実用的な内容を盛り込んでいますので、ぜひ最後まで読んでいって下さいね。

 

一番お得な減価償却方法をシミュレーションしよう

実際に、私がはじめて買った中古戸建ての物件でシミュレーションしてみます。

具体的には、こういう感じで起こるのかぁ、と生あたたかく見てもらえればいいと思います。

<物件の情報>

構造 木造
建物種別 戸建て
築年数 42年
物件価格(土地+建物+設備) 400万円
リノベーション費用 307万円
表面利回り 13.6%

まずは、ここから減価償却をどうやるか、やってみます。

 

中古戸建を土地・建物・設備を一体で購入した場合、減価償却はどうする?

減価償却する際、土地・建物・設備の価格を分ける必要があります。なぜなら、土地はそもそも減価償却できませんし、建物と設備はそれぞれ耐用年数が異なるからです。

まず、土地と、建物+設備の分け方ですが、これは固定資産税評価額の割合とします。今回の場合はこんな感じ。

土地の固定資産税評価額:139万円 →35%

建物の固定資産税評価額:261万円 →65%

 

ちなみに、固定資産税評価額は、物件を買う前だと計算が面倒臭かったりわからなかったりするのですが、購入後なら、春ごろに役所から届く固定資産税の納税通知書で確認できます。待てなければ、役所に問い合わせれば教えてもらえるらしい。

 

建物と設備の分け方は、新築時の見積書など、それぞれの価格がわかるものがあればその金額の割合としてもよいみたい。ただ、築古の中古物件だと書類が無いこともおおいです。そういう場合は、

建物:設備=7:3

とするよう決められています。

 

リノベーション(リフォーム)費用は、減価償却できる?

できます。ただし、購入後に中古物件を大規模修繕(20万円以上のリノベーショム・リフォーム)した場合、物件の耐用年数で減価償却します。

築40年の木造戸建てを400万円で購入し、300万円でリノベーションした場合、どちらも耐用年数4年(22年×20%)で減価償却することになります。なので、リノベーション費用は購入費用と合算して計算しちゃってOKです。

※ただし、リノベーション費用が物件の新築価格の50%を超える場合、それはもはや新しい物件を買ったも同然でしょ、ということでリノベーション費用は法定耐用年数で償却するらしい。まぁ滅多にないと思うけど。

 

建物のリノベーション(床や天井の修復など)と、設備のリノベーション(給湯器の交換など)はそれぞれの費用で分けでもいいし、7:3でもOK。

 

ちなみにリノベーションとリフォームは、税法的には区別しないので気にしなくて良いらしい。

 

耐用年数を過ぎた中古物件を購入したが、減価償却できる?

できます。耐用年数の20%で減価償却します。

たとえば、木造の法定耐用年数は22年、設備は15年ですが、築30年の中古戸建て(アパートでも同じ)を買った場合、どうなるか?

建物:22年 × 20% = 4.4 → 4年

設備:15年 × 20% = 3年

 

耐用年数を過ぎていない場合は、

( 耐用年数 − 経過年数 ) + 経過年数 × 20%

で算出します。築10年の木造戸建て(アパートでも同じ)なら、

建物:( 22年 − 10年 ) + 10年 × 20% = 14年

設備:( 15年 − 10年 ) + 10年 × 20% = 7年

 

2016年以降に購入した建物は、定額法。定率法は使えないので注意。

減価償却の計算方法には、定額法と定率法の2つあります。が、2016年以降に購入した建物については、定額法しか使えないので、気をつけましょう。

なお、設備は定率法でもOKらしい。

定額法:毎年の減価償却費は均等

定率法:減価償却費が一定の割合で減少。なので、最初が大きく、だんだんと小さくなっていく。

 

[お得] 木造の場合は建物と設備を一緒に償却できる!!

これは知っておくとお得な情報。

木造の場合は、減価償却期間の長い建物の方に合わせて、建物+設備を4年で償却することもできます。

7:3で分けて償却するか、一体で償却するか、どっちの方がお得か判断できないので、シミュレーションしてみます

 

手順① 購入費用とリフォーム(リノベーション)費用を建物、設備に分ける

 

手順② 耐用年数の計算
建物 設備
築年数 42 42
法定耐用年数 22 15
耐用年数 4 3

 

建物と設備を一体で償却した場合
毎年の償却額 償却年数
建物・設備 142 4

 

建物と設備を7:3で分けて、償却した場合
毎年の償却額 償却年数
建物 99 4
設備 57 3
156

 

今回の場合、建物と設備は分けたほうがたくさん償却額が多い(たくさん経費にできる)、という結果になりました。ここで結論に飛びつかず、それぞれの場合で償却期間とあわせて、経費を落としすぎて損してないか、チェックしてみます。

減価償却のシミュレーション(実例)

シミュレーション① 建物と設備を分けて償却した場合:Good!

※役員報酬は家賃収入の5%で計算しています。

シミュレーション② 建物・設備を一体で償却した場合:Bad…

 

この表で見るべきは、表の「課税所得累計」の行です。

「課税所得累計」が赤字の期間は、税金を払わなくていいのです。つまり、節税の観点で言えば、この期間が長いほど良い、ってことです。

なぜ初年度の赤字をずるずる何年も引き伸ばせるかと言うと、「損失の繰延控除」というルールがあるから。個人は3年、法人は10年、損失を繰り延べることができます。

私の場合は法人なので、10年間赤字を繰り延べることができます。よって、10年以内で、できるだけ長く赤字の期間を引き伸ばせる方が節税になるので、①の建物と設備を分けて減価償却するのが正解。

 

ちなみに、個人の場合、最初の3年で赤字の繰延控除が終わってしまうので、最初の3年でできるだけたくさん経費で落す必要があります。4年目以降は損益(赤字)の繰延ができません。

 

今回はたまたま法人でも個人でも建物と設備を分けて減価償却した方が節税の観点からはお得!という結論になりました。

ただ、やってみてよくわかったのが、一番CFが残る方法は、物件購入価格、家賃収入、初年度購入経費、役員報酬、リフォーム費用など全ての要因に左右されます。なので、どっちの方がお得かは、「モノによる」としか言えない感じですね。

どのパターンが一番いいのかは、都度シミュレーションする必要がありそうです。

とはいえ、やっぱ法人の方が損失の繰越期間がながかったり、任意償却できたりするので、キャッシュフローを残しやすい、というのは言えそうですね。

 

任意償却:法人のみ。減価償却費を計上しても、しなくても良い。

法人なら、例えばその年の減価償却費が100万円だとすると、「今年は融資を受けて新しい物件を買いたいから、黒字決算にしたい」と思ったら、減価償却費を0〜100万円の間で調整できます。黒字にするために、今年は減価償却費0円で!ってことができるのです。

しかし、個人の場合は100万円だったらかならずその年に100万円を償却しなければなりません。

 

今度、どんどん物件を買い増すつもりなら法人一択、と言われるのは正しいと思いました。

 

イチにもニにも、シミュレーション!

何をするにしても、いつデッドクロスがくるのかを知らないと対策のしようがありません。

前述した例を参考に、ご自身の物件のデッドクロスがいつ来るのか、シミュレーションしましょう。

 

 

まとめ

  • 減価償却のやり方一つで、キャッシュフローの残り方が全然ちがう
  • 節税してキャッシュフローを残す上では、個人より法人の方が有利
  • 一番お得な減価償却の仕方は、モノによる。物件を買う前にシミュレーションしよう

それでは!

末岐 碧衣
  • 末岐 碧衣
  • フリーランス のシステムエンジニア。独立後、一度も営業せずに月収 96 万円を達成。1986年大阪生まれ。早稲田大学理工学部卒。システムエンジニア歴 12年。
    2009年、ITコンサルティング企業に入社。3年目でコミュ障が爆発し人間関係が崩壊。うつにより休職するも、復帰後はコミュ障の自覚を持ち、「チームプレイ」を徹底的に避け、会社組織内においても「一人でできる仕事」に専念。社内外から評価を得た。
    無理に「チームプレイ」するよりも「一人でできる仕事」に専念した方が自分も周囲も幸せにできることを確信し、2015年フリーランスとして独立。

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