あなたのモチベーションが持続しない脳科学的な理由と、長期のモチベーション維持に不可欠な脳内物質について
どうも、ドーパミン伝道師こと白戸です。
精神科医・樺沢紫苑先生の「脳を最適化すれば能力は2倍になる〜仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法〜」を読み、絶賛ドーパミン分泌中であります。
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直近で、あなたが「ワクワク」「ドキドキ」した時を思い浮かべてみてください。
どんな時、何をしていた時でしょう?
モチベーションが湧かない。湧いてもすぐ枯れる理由
何かなすべきことがあり、モチベーションを上げたい。でもなんだかやる気が出ない、持続できない、やめたくなる時ってありますよね。
この記事を読んでいるということは、あなたは一度は、モチベーションUPに関するハウツー本を購入し、「それや!」とひざポンしたにもかかわらず、結局は挫折した経験をしているかもしれません。
私などは一度ならず何百冊もの自己啓発本を読み、同じ回数だけしくじってきているので、もう致死量の挫折感で瀕死です。
が、それでも自己啓発本を読むのは、読むと一時的にでも「持ち直す」から。なんというか、もはや”心のサプリ” 的な使い方をしてます。
定期的に自己啓発本を読まないと心がダメになっちゃう。「このままでは、、、死、そしてスライムに転生」という恐怖から逃れるために自己啓発本を読んでいます。私の自虐なんてどうでもいいですね。すみません。
さて、なぜモチベーションが維持できないのか。挫折してしまうのか。
一言で言うと、その作業があなたにとって「不快」だからです。
例えば、締め切りを設定したり、「背水の陣」で限界状況に自分を追い込んだりすると、一時的にはポテンシャル以上の能力を発揮することができます。
こういう危機的状況では、脳内でノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンは、草食動物が肉食動物に追いかけられている時など、ストレス(不快)に反応して分泌される物質です。
草食動物が逃げ切るために、瞬間的に注意力や集中力を高めるのと同様、”追い込み” はあなたの仕事を猛烈にはかどらせます。
しかし、注意しなければならないのが、こういったノルアドレナリン仕事術は短期集中特化型であるという点です。
常に肉食動物が視野に入っている状態で1年間逃げ続けられる草食動物など存在しないのと同様、長期間にわたって「死ぬ気で頑張る」のは無理なのです。
「不快な仕事を背水の陣で頑張る」というノルアドレナリン仕事術は、重要な場面に限定してこそ効果を発揮しますが、続けられるのはせいぜい1ヶ月。何ヶ月、何年レベルの長期でやろうとすると、必ず破綻します。私のように燃え尽き、うつ病になる人もいるでしょう。
長期のモチベーション維持に必要なのはドーパミン
では長期で頑張るにはどうすればいいのか?
答えはドーパミンにあります。
ノルアドレナリン型のモチベーションが「不快を避ける」なら、ドーパミン型モチベーションは「快を求める」です。
ドーパミン神経系は、欲求が満たされた時、あるいは満たされるとわかった時に活性化し、「快」の感覚を与えるため「報酬系」と呼ばれます。報酬系の中でも重要な役割をするのが、大脳辺縁系の「側坐核」と呼ばれる部位。
側坐核が刺激されると、ドーパミンが分泌され、快感が生まれます。
この快感と「行動」が結びつき、さらなく快感を得ようと、次の行動のモチベーションが高まります。そして、また快感を得たいがために、同じ行動をとるようになります。その次は、より大きな快感を得るために、より工夫して行動します。これが報酬系の働きで、ドーパミンの「強化学習」と呼ばれます。
ドーパミン神経系が担うこの一連の強化学習サイクルこそが、人間が長期にわたりモチベーションを維持し、より高い自分へと成長するために不可欠な脳内システムです。
人間が他の動物と違い「ただ生きる」だけでなく「どこまでも高みを目指すのは、このドーパミン神経系の「強化学習」が密接に関わっていると言えるでしょう。
ドーパミンを分泌させる7つのステップ
具体的に、長期的にモチベーションを維持して自分を成長させる方法、すなわちドーパミンを分泌させる7つのステップについてまとめました。
STEP1: 明確な目標を設定する
なんとなく生活していて、なんとなくラッキーなことが起こっても、嬉しいですがワクワクドキドキはありませんよね。つまり、ドーパミンは出ていないのです。
自分で目標設定し、それに向かって努力や工夫する過程で、ドーパミンは分泌されます。さらに、目標そのものを達成できれば、そこでまたドーパミンが出てきます。
私も自己啓発本を読んだ直後の行動計画を立てている時間は、めちゃくちゃ楽しいです。すごくワクワクするし、ビックリするくらいポジティブで、なんでも出来るような自信と高揚感がたまりません。そういう時は、「あ〜〜〜、いま、脳内でドーパミンがドッパドッパ出てるぅぅ」と実感できます。
ちなみに目標設定のコツは、「短期的で実現可能な目標」を立てること。「将来の夢、10年後の自分」などを、5年目標、3年目標、年間目標、四半期目標、月間目標、週間目標まで落とし込みましょう。そして、実行、進捗記録、計画の修正を繰り返します。
STEP2: 「目標を達成した自分」をイメージする
目標を鮮明にイメージすることで実現可能性が高まる、という話は、あまりにも有名なのでここで改めて書くほどではないかもしれませんが、、、
例えば、「年内に、iPhoneアプリを一本リリースする!」という目標であれば次のようなイメージにします。
- アプリのアイコンのデザイン
- ログイン画面
- ユーザ情報がどんどん蓄積されていくDB
- App Storeで自分のアプリが上位ランキングに表示されている様子
- ユーザーからの「使いやすい!」というレビュー
- 10万ダウンロードの通知メール
- 知人からの褒め言葉やおめでとうメール
- 自分のアプリが有名ブロガーの記事に掲載される様子
- 山のように届く次の仕事の依頼メール
これをイメージしている時、どれだけワクワクドキドキできるかで、ドーパミンの分泌量(=成功確率)が変わってきます。思わずニヤけるくらいでないといけません。
STEP3: 目標を繰り返し確認する
目標設定とは、心に決めることではありません。いつでも見られる状態にしておくことが重要です。
例えば、目標を紙に書いて机の前に貼っておく、PCやスマホの壁紙にする、周りの人に宣言する、といった具合です。
毎日見る、というのは当たり前。加えて、見るたびにSTEP2の「目標達成した自分」をイメージしてニヤけるようにしてください。これにより、ドーパミンを分泌させてモチベーションを補給できます。
STEP4: 楽しみながら実行する
人間の脳は「快」の刺激を受けると、さらにそれを求めようとします。「不快」の刺激を受けると、それを避けようとします。
机の上にケーキがたくさんのっていて、ひとつ食べてみたら美味しかった。ここで脳は「快」の刺激を受けます。ほとんどの場合、最初のケーキがおいしくて、それを食べ終わってしまったら次のケーキに手を伸ばすでしょう。お腹がそんなに空いてなくても食べたいと思います。この時に出ているのはドーパミンです。
逆に、ひとつ目のケーキがまずかったら、二つ目にはまず手を伸ばしません。ケーキによる「不快」を脳が回避しようとするからです。この時出ているのはノルアドレナリンです。
仕事や勉強でも「楽しい」と思いながらやると、ドーパミンが出ます。ドーパミンが出れば「明日も頑張ろう!」という気持ちが自然と湧いてきます。
好きこそものの上手なれ、です。
逆に、「仕事が苦しい」「嫌だ」と思った場合、不快の刺激を受けたことになり、ノルアドレナリンが出ます。短期間であれば集中力を高め、効率がアップしますが、長期でやりたくないことを強要されると、モチベーションは全く上がりません。当たり前ですね。
嫌々取り組んでいることは、まず成功しません。
一言で言うなら、嫌ならやめちまえ★ なのです。
STEP5: 目標を達成したら、自分にご褒美をあげる
真面目で頑張り屋さんのあなた。これ、超重要です。
何か目標を設定して黙々とこなす真面目でストイックな人がやりがちなのが、自分に厳しくしすぎるということ。
「まだまだ、こんなんで喜んでるようじゃ、全然ダメだっ!!」
「あの時ちょっとサボっちゃったし、、、」
「ライバルはこうしている間も頑張ってるんだ。ご褒美なんて甘えてられない!」
「目標は達成したけど、ここで弛んだら元の黙阿弥だ!」
、、、みたいに、脳に対するご褒美が貧弱だったり、そもそもご褒美を取り上げてしまったりすると、脳の「ご褒美がほしい」という意欲が弱まります。
意欲が弱まると、脳はドーパミンを出さなくなります。頑張ったのに結果が出ない、ご褒美もなし、となると、その頑張る対象が「快」から「不快」に変わってしまうことは大いにあります。
かのフィギュアスケートの浅田真央選手も、毎日トリプルアクセルを頑張って練習し、本番で結果が出せなかった時などの密着取材では「本当にスケートやめたい」とこぼすシーンもありました。
前述したように、「不快」なことを長期間続けるのは無理です。
頑張ったら、きちんとご褒美をあげ、大いに喜ぶべきなのです。これはやった方が良いとかそんなんではなく、頑張ったあなたの義務です。
脳にとってのベストのご褒美は「人に祝ってもらうこと」ですが、そうでなければ自分で自分にご褒美をプレゼントしましょう。
STEP6: すぐに「新しい目標を設定する」
目標達成を喜ぶことは大切ですが、満足することとは違います。今の自分に満足した瞬間、人間の成長はストップします。
現状維持で大丈夫と思った瞬間、ドーパミンが出なくなるからです。
より困難な目標を設定した時、ドーパミンは分泌され、モチベーションは高まるのです。ドーパミンは「もっともっと」を好む物質なのです。
STEP7:「 目標達成のプロセス」を繰り返す
目標を設定し、達成し、快感を得る。さらに難しい目標を設定し、また達成し、より大きな快感を得る。この繰り返しです。
いかがでしたでしょうか。
いかにして自分の能力を最大限に発揮するか、という問題を考える時、最優先事項は「いかにして快楽を求めるか」に尽きます。
自分が「快」を感じるのはどのような時か、(必要ならば)「不快」を「快」に転換できないか、今の自分にとって「快」を得られる適切な難易度の目標とはなんなのか。。
ストイックに、自分に厳しくするシーンも必要ですが、目標を達成した時は、自分にたっぷりご褒美を「あげて良い」のです。むしろ、あげなければなりません。
<今日のポイント>
頑張るべき時は厳しく、そして甘やかすべき時はガッツリ甘やかす。
厳しいばっかじゃ、脳も子供もグレちゃうぜってことですね!
それでは!
<参考文献>
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