これぞ”底辺”!ダメ人間たちのドラマにめっちゃ感情移入しちゃった件。「ララピポ」

カテゴリー 読んでよかったレベル20以上の本たち

金ナシ友達ナシ恋人ナシ、29歳独身(♀)、自営業無収入(開業届けを税務署に出しているので無職じゃないよ。ダメ人間じゃないよ!)のわたしです。現在は事業立ち上げのためにモゾモゾしてます。

イメージ図↓

imagesモゾモゾ

今回は、そんなわたしが自分でも驚くほどに感情移入してしまった小説をご紹介したいと思います。

社会的挫折を一度でも経験したことがある方、「自分はダメ人間じゃない!」と毎朝10回アファメーションしている方におすすめの作品です。

 

外観。おげれつ?

煮詰まったため、数時間におよぶ壁を見つめる作業を開始したところでふと、「そういや前にブックオフで買ってきた小説があったな……」と思い出し、見つけました。

IMG_20160519_142526おげれつ。

カバーをめくるとおげれつな絵が出てくるという素敵な作り。そのまま載せるとR18記事になりそうなのでモザイクをかけてみました。なぜかお下劣度が増した気がします。

IMG_20160519_142558R18

一応断っておきますが、エロ本じゃありませんよ。100円棚の中で異彩を放っており、かつ、本自体がきれいな状態だったので購入したのですが、思わぬ拾い物でした。これだからブックオフはやめられません。

IMG_20160519_1427211500円→108円

帯にはこんなことが書いてあります。

勝ち組なんていない。

神は何故、この者たちに生を与えたもうたのか?

  • 対人恐怖症のフリーライター(32歳)
  • AV・風俗専門のスカウトマン(23歳)
  • 専業主婦にして一応AV女優(43歳)
  • NO!と言えないカラオケBOX店員(26歳)
  • 文芸コンプレックスの官能小説家(52歳)
  • デブ専裏DVD女優のテープリライター(28歳)

いいキャッチですね〜「勝ち組なんていない。」うん、壁に貼って毎日拝み倒したいですね。いや、別に、”勝ち組”になりたいとか切実に思っているわけではありません。

ただ、”勝ち組”がムカつくだけなのです。

よくよく考えたら、この本の著者である奥田英朗さんも”勝ち組”じゃないですか。わたしが憧れ続けた「小説家」という職に就き、しかも文学賞をとったり映画化されたり。凄いムカつきます。

どうすればいいんですかこのモヤモヤ。

なにが

一人の人間の生きる意義なんて、60億分の1ほどのものでしかない。そう思えば気が楽だ。

ララピポ P.247

だよ!まぁ、たしかにそう思えば気が楽ですけども!ありがとうございます!

 

内容。”下層社会”をリアルに描いてるけど、暗くない。

帯に書かれた6人それぞれの視点で書かれた6つの短編集ですが、前のパートの主人公が別の人のパートでちらっと出てきたりするので、1つの長編みたいな読み方もできます。湊かなえさんの「告白」と同じ構成ですね。

キャラ

個人的にとてもいいなと思ったのは、登場人物が全員、低俗なダメ人間であるということ。ダメ人間的生活、ダメ人間的思考回路が、ものすごくリアルで生々しいのです。

特に、対人恐怖症のフリーライター(32歳)というのはすごく身近に感じられました。

「唯一誇れる学歴にすがり人を見下す月収14万4千円のフリーライター」って。もうほとんど自分のことを描かれているみたいでゾワゾワしました。

抜粋してご紹介。

蕎麦屋の支払いを済ませると、財布の中身が二千円になった。

(中略)

駅前の銀行で三万円を下ろした。これでこの先三週間はもたせなければならない。そして利用明細を見ると、残高がとうとう三十万円を切っていた。

月収が十四万四千円で、源泉徴収されて約十三万円になり、そこから家賃の十万円を引くと残りは約三万円になる。光熱費が月に一万円とちょっとで、電話はほとんど使わないものの基本料金が五千円ほどかかり、あとは国民健康保険が四千いくらか自動で引き落とされる。国民年金は無視するとしても、それだけで二万円弱……。

おっと新聞を忘れていた。一時はとるのをやめることも考えたが、さすがにそこまでしたくなかった。朝夕の間が持たない。要するに一万円も残らないのだ。

それで一日千五百円で暮らすとして……いや、やはり無理だ。たばこ代もあれば諸々の雑費もかかる。シャンプーだって歯磨きだってなくなれば補充をしなくてはならない。余裕をみて一日二千円とすると月に六万円が必要で、となると蓄えは月に約五万円ずつ減っていくことになり……。

あと半年で自分はアウトだ。仕事をしてもすぐに振り込まれないことを考えると、三ヶ月以内に何らかの行動を起こさなくてはならない。

(中略)

やはり家賃十万円がネックか。吐息を漏らす。といっても、費用を考えると引っ越しもできない。

血の気まで引いていった。

どうですか、このリアリティ。

立ち食い蕎麦を食べた時、コンビニで健康保険の払い込みをした時、Suicaにチャージした時、お風呂にお湯を張る時、、、とにかく何をする時にもお金のことが頭をよぎるんですよね。

具体的に言うと、「いま〜円使った=残高がXX円=このままだとあと△△でホームレス!?=もう疲れた死にたい」という流れです。四六時中、不安と無力感でぐるぐる、、、つまりは地獄ですね。HAHAHA★

午後は図書館で時間をつぶした。

夜は漫然とテレビを眺めていた。とくに目当ての番組があるわけではないので、リモコンを片手にせわしなくチャンネルを替えている。

ベッドに寝転がり、昼間借りた本も読んだ。どこかのライターが書いた外国滞在記を読んでいた。自分もこんなものを書いて暮らしていけたらいいのにな、と思う。

わかるよーわかりますよー。図書館行っちゃうよね。なんたって無料ですから。何時間いても何冊読んでも無料ですから!

しばらく通っていると、だんだん「いつもいる人」、つまりは「自分と同類の人」が見分けられるようになってきます。面白いですよ。興味ある人は是非やってみてください。

わたしはもうやりません。

 

あとは、女を「マンコの付いた商品」としか見ないスカウトマン、

スーパーのレジ打ちからAVデビューした43歳の主婦、

一度だけ私小説で文学賞を受賞したのが忘れられない官能小説家、

連れ込んだ男との性生活を勝手にDVD化する28歳デブ女。

 

みんな違うタイプで、どれも引き込まれました。

ストーリー

物語が進んで行くうちにどんどん最悪の状況になっていきます。でも、よくあるドキュメント番組みたいにくら〜い気持ちにならない。不思議です。

たぶん、登場人物がどこかあっけらかんとしているからですね。側から見たら「おいおい大丈夫か?」という状況にあっても、当人は諦めている感じというか。

三十を過ぎて、人と会うのに恐怖を覚えるようになった。初対面の人間は平気なのに、昔からの友人知人に会うとなると途端に緊張するのだ。

原因はわからなかった。考えれば思いあたるふしはあるのだろうが、考えたくないので放置することにした。

これ、すごいわかるんですよね〜。考えたくないんですよ。解決する気が起きないというか。

だから、親切な人が親身に解決策を提示してくれたりするの、すごく嫌。今、冷静に振り返ると、こういう時に「いい人間関係」が消えて「悪い人間関係」ができるのかなーと思いました。で、どんどん悪いループにはまっていく・・・

ちなみに、わたしはループから抜けるために”オールリセット”しました。見栄を張って英語で言ってみました。リセットのスペルがわかりません。

人間関係も仕事も、思い切って全部捨ててみたのですが、今、別にこれといって困っていません。よくないループからも抜け出せたし、これはこれでアリなのかもしれませんね。

というか、他に抜け出す方法ってあるんですかね? あっても教えないでください。もう手遅れなので。

 

ええと、ララピポのレビューに戻ります。

誰にでもそういう一面やそういう時期はあるよね(あるよね?あってくれ〜頼む〜)的なダメな感じが忠実に描かれています。

あの時一歩間違えていたら。

あのまま進んでいたら。

誰も手を差し伸べてくれなかったら。

あるいは、自分も今頃こんな風になっていたかもなぁと思ってしまう。そんなレベルのリアリティです。多分、執筆にあたって、実際にインタビューしてますね。

 

余談ですが、「なるほど、こんな風にして普通のOLさんがAV女優になるのか〜」と感心させられました。こりゃー引っかかっちゃうかもねと。裏社会コワイ。

ちょっと精神的にキテる時に甘い言葉に釣られていたら、わたしも今頃AVデビュー&親バレ→勘当→家なき子 となっていたに違いありません。それはそれで超ハードモードの人生としてレベルアップを楽しみながらゆくゆくはAV界のカリスマ女王豚として君臨することになるかもしれませんが、その場合、たぶん今とは別人格と思うのでうまく想像できません。

カリスマ女王豚って何。

感想。と、個人的な話

半年くらい前の過去ログ(2015/10あたり)を見てくださっている方はお分かりかと思いますが、わたしはシステムエンジニア(会社勤め)をやめて小説家を目指していました。しかもシェアハウスに引っ越したのに引きこもるという支離滅裂っぷり。

こうして書き出してみると、当時の内面の混乱が伺えますね。会社を辞める時「もうITとは縁を切ります!」と宣言したにもかかわらず、現在またIT関連の事業を起こそうとしているあたり、まだ混乱中なのかもしれませんゾナモシ〜

ララピポ2が出るなら、是非とも私のことを題材にしてほしいです。自分がダメ人間小説の主人公になるとか、めちゃくちゃ自慢したい。孫に語りたい。孫どころか夫も恋人も男友達すらもいませんがそれは言わぬが花。

 

子供の頃から小説家に憧れていて、あと動物も好きなのでシートン動物記とかモロー博士の島とかたまりませんでしたね!100ページくらいなので今では一時間もあれば読めちゃいますが、小学生の頃は何日もかけていました。私も私なりに成長しているのですよ(うるせーよ

[amazonjs asin=”B00QEAHA8U” locale=”JP” title=”モロー博士の島”]

 

ともあれ、ララピポのおかげで、久しぶりにディープなところに精神的トリップができました。やはり小説は良いですね。これからは週1冊ペースくらいで、”心の洗濯”のつもりで読もうと思います。

それでは!

[amazonjs asin=”4344411668″ locale=”JP” title=”ララピポ (幻冬舎文庫)”]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です