ビジネス・ミーティングで失敗しないための5つの準備
①どんな目的で集まり、何を決めるのか、事前に知らせておく
対面での会話は、文章に比べてコミュニケーションロスが発生しやすいです。文章は冷静な状態で、クソがつくほど丁寧に説明したりお願いすることが可能です。しかもメールのような文章は「残る」ので、各々が見返すこともできます。
しかし、会話は生き物です。
メモとか取ってて聞き逃したらそれでおしまいだし、各人のその場の発言で進行していくので、伝えたいことを言う前に話題が変わってしまったり、言わなくて良いことを言ってしまったりと、うまく言葉が出てこなかったりと、いろんな「事故」が起きやすいです。
場数を踏んでいても、準備なしでミーティングをコントロールするのはかなり難しいと思います。伝えたかったことの20%でも伝われば良い方ではないでしょうか。
別に誕生日のサプライズをするわけじゃないので、事前に何をするか(したいか)くらいは知らせておきましょう。その方がメンバーも下調べや準備ができるので喜ばれます。
素直に文面で事前の認識合わせをしておくだけで、ミーティングの質がぐっと上がります。
準備不足ミーティングあるある①わざわざ集まった意味がない
「今日は◯◯の細かい説明を聞きに来たのに、資料持ってきてないの!?」
「予算決めてくれないとスケジュールも決めらんないじゃん…」
「その話するんだったら、僕じゃなくて△△さんを連れて来ればよかったなー」
のように、そもそも話の土台ができてない場合、せっかく集まったのに話ができないことがわかり、早々にお通夜ムードで「じゃあ、次回は◯◯を準備してくるということで。。。」となります。
時として、準備不足のミーティングは人を喪中にします。
準備不足ミーティングあるある②言葉が通じない
メンバーに世代間ギャップがあると、こうなることが多いです。例えば「アプリ」と一言で言っても、年配の人は「スマホに表示されてるアイコン」くらいの認識だったりします。
こういう人に、「サーバ側で〜の処理をしてDBに〜のデータを貯めておいて」とか「いえ、データはサーバにあって、ユーザーインターフェース(画面)の話はそれを表示してるだけで…」とか言っても全く通じないわけです。丁寧に伝えようとすればするほど伝わりません。アラビア語をさらに逆再生で聞くくらい伝わりません。
あまり丁寧に説明しすぎると、混乱のあまり相手が死亡する可能性があるので気を付けましょう。
準備不足ミーティングあるある③空中戦になる
ミーティングの目的や認識が合っていない、しかも、ミーティングの場でも全員が「見る」ことのできる「今日の議題」の箇条書きすらもないとなると、マジでひどいことになります。
特に、年齢が離れている、普段ほとんどコミュニケーションしない、などのメンバーがいる場合は要注意です。
各々の思っている ”前提” がくい違っていたりするので、発言すればするほど「???」となりかねません。理解力があって説明が上手な人がいれば、途中で「あ、なるほどね」と認識合わせすることができますが、そこまでの時間がそもそも無駄ですし、大抵の場合は議論が空中戦になって収拾不可能になります。
結果、「あれ……いま何の話してんだっけ? なんでこんな話になったんだっけ?」となり、その場にいる全員が勘違いしたまま終わってしまったり、モヤモヤしたまま苛立ちだけがつのって終了してしまうことも。。。
最終手段として、「議事録」で確認や正式な合意を取ることは可能ですが、たぶん議事録係はまとめるのが大変だし、逆に議事録係に会話ログや結論を操作されてしまうこともあるので注意が必要です。
②「目に見える」資料を持参する
同じものを見ながら話すことで、会話があっちこっち飛んでいったり目的がブレたりするのを防げます。資料は視覚的にパッと認識できる「箇条書き」や「図・グラフ」などが望ましいです。その場でA4の束を広げても、読み切れませんからね。
簡単なミーティングでも、「今日の議題」くらいは、箇条書きにしてテーブルの中心に置くことをお勧めします。決まったことはその場で書き足していけば、後になって「そんな話じゃなかったはずだ!」と言った言わないの不毛な議論をせずに済みます。
加えて、全員が「あと、これとこれとこれを決めるんだな」とわかるので、よほど感情的になって白熱しない限りは時間配分もしやすく、「あ、これ決め忘れた!」というミスも防げます。
③ミーティングの「場所と時間」は慎重に決める
「場」は、かなり大切です。ミーティングの成功率の80%は「場」で決まると言っても過言ではありません。特に重要なミーティングならば、行ったことがある店か、なければ下見に行きましょう。せっかく念入りに準備したのに、くだらない所で減点されたらつまらないですもんね!
社内であればミーティングルームなどがありますが、そうでない場合は、ミーティングの目的やメンバーに合わせて臨機応変に決めます。私の場合はだいたいこんな感じで決めてます。
年配者/偉い人と話す: ホテルのラウンジなど、天井が高く落ち着いた空間
仲間とがっつり話す: ノマドカフェや貸し会議室など、WiFiやホワイトボードが使えて長居できる空間
初対面の軽い挨拶: ルノアールなど、駅前の比較的落ち着いたカフェ
ビジネス・ミーティングに不適切な場①うるさい
ファミレスやファーストフード店など、子供が泣きまくったり走り回ったり、お年寄りグループが何時間もだべっていたり。時間帯に寄りますが、環境としては最悪です。
基本的に、「安い」店はビジネスミーティングに不向きです。私はコーヒーが500円以下の店はビジネスには使いません。
ビジネス・ミーティングに不適切な場②アクセスが最悪
駅から遠すぎる、店の場所がわかりにくい、。真夏日とか雨・雪の日、延々歩かされると、大抵の人は疲れるし嫌がります。
ビジネス・ミーティングに不適切な場③店の周辺環境が最悪
マナーの悪い外国人が多いエリア(道にゴミが落ちまくってるとか)、ディープなエリア(ラブホ街とか)にポツンとある店とかです。
ネットで探し、店の外観や内観だけ写真で見て行くと、こういう落とし穴にはまったりします。私は取引先の偉い人をラブホ街の真ん中のホテルラウンジに呼び出して大失敗したことがあります。ミーティングが始まる前から先方は苦笑いです。戦わずして負けたというか、始まる前に終わってたというか。最悪ですトラウマです。
ビジネス・ミーティングに不適切な場④ミーティング開始時刻が開店と同時
常識的な社会人であれば、ミーティングの10分前には到着しています。「10:00に◯◯カフェで待ち合わせ」みたいにすると、開店時刻10:00までメンバーを外で待たせる(もしくは一緒に立って待つ)ことになります。
失礼だし、気まずいし、気の利かないバカだという第一印象を植え付けることになるので気を付けましょう。私はこれでも失敗しました。失敗してばっかです。ちぇっ。
あと、やりがちな(というか私がやった)ミスとしては、「店が定休日だった」とか「予約が必要だった」とかね。
④お互いの立場や役割をハッキリさせておく
味方だと思ってた人が実は敵だったり、がっつり協力してくれると思っていたら片手間でしかやってもらえないとかね。
特に、近親者や古くからの知人友人だから「こんくらいわかってるよね」と油断していたら、全然、まったく、これっぽっちも意思疎通できていなかったということがあります。というか、私はありました。同じ家に住んでいても、父よりは外部の協力者の方がよほど話を理解してくれたりコミュニケーションが取りやすかったりします。
実際に集まって話すまではわからないこともありますが、あなたがファシリテーターになりそうならば、事前に確認できる範囲でコンセンサス(合意)を取っておく方がベターです。ちょっとした誤解や行き違いから信頼が崩れてしまうと、疑心暗鬼になりミーティングどころではなくなってしまいます。
マンツーマンならその場でハッキリさせることもできるかもしれませんが、大抵は、自分の持っている権限や同席者との関係性の問題があり、その場で疑問をぶつけたりすることは難しいと思います。
⑤「これだけは〜」を決めておく
「これだけは伝えたい」「これだれは譲れない」ということを、明確にしておきましょう。ミーティングでなにか想定外のことが起きても、「これだけは〜」が頭にあれば対応できます。後になって後悔するような返事をせずに済みますし、すばやく決断して無駄に議論を先延ばしにすることもありません。
「お願い」につなげる話をするのであれば、ミーティング前の共有でもしっかり文章で強調して説明し、合わせて口頭でも丁寧に説明するくらいでちょうど良いです。多少、丁寧すぎてうっとうしがられても、誤解されたりそれが元で信用を失うより断然マシです。