実行できるアイデアはひとつだけ。大切なのは決め方!
ビジネス、企画、小説ネタ。我々はいろいろな場面でアイデアを出します。しかし100個アイデアを出しても、実行できる企画やネタはひとつだけ。ひとつに絞った時、99個の「ボツ」が生まれるのです。
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すっかり「あって当たり前」のアイテムとなっているパソコンのマウス。これはスティーブ・ジョブズが製品化して世に送り出したものですが、発明したのは別の人物ということをご存知でしょうか。
マウスは元々、大企業の研究所で開発・実験され、選ばれずに「ボツ」とされ、商品化されなかった技術なのです。
ダグラス・エンゲルバート(Douglas Carl Engelbart、1925年1月30日 – 2013年7月2日)は、アメリカ合衆国の発明家で、初期のコンピュータやインターネットの開発に関与した。特に、SRIインターナショナル内の Augmentation Research Center(ARC) で行ったマンマシンインタフェース関連の業績で知られており、そこでマウスを発明し[3]、ハイパーテキストやネットワークコンピュータやグラフィカルユーザインタフェースの先駆けとなるものを開発した。
wikiより抜粋
ジョブズは「何も発明せずに、世界を変えた」と言われています。つまり、彼はアイデアマンというより選択眼が非常に優れていたのではないかと。
わたしたちは企画というとアイデアの出し方にばかり気を取られがちですが、ビジネス、企画、小説、キャッチコピーetc…なんであれ、最も重要なプロセスは、アイデアの選び方であり、決め方だとも言えます。
にもかかわらず、せっかくのアイデアを「なんとなく」とか「時間切れ」とかでテキトーに選び、決めてしまっていることも多いのではないでしょうか。
ダメなアイデアを選んでしまう3つの理由
- アイデアは詳細までつめられたものではない
- 良いアイデアは新しい試みや冒険を含むが、人は無難を選びがち
- 決めるとき、その場の雰囲気に流されがち
アイデアはあくまで企画の素であり、当然、選ぶ段階では細かい部分がわかりません。この状態でどのようにして選べばいいのでしょう?
数字など具体的なデータがあれば決められますが、時間は無限にあるわけではないので、アイデアの段階でイチイチ調べていられません。しかし、どれかひとつに決めなければならない。
学校や会社などでアイデアを出し、それをチームで話し合ってひとつに決めるという時、皆さんはどうやって決めていますか。多数決? 話し合い?
私が会社員だった頃は、声の大きな人(エラい人)の意見やその場の雰囲気に流されたり、「とりあえず」無難なものに決まったりしていました。
しかし、「選び、決める」ための体系化されたプロセス・技術というものが、世の中にはあります。このフレームワークを知っておくだけで、良いアイデアをボツの中に埋もれさせたり、選んだは良いけど実行の段階になって「やっぱあのアイデアの方が良かったんじゃ……」なんかモヤモヤしたりすることもありません。
数あるアイデアからひとつに決めるための6つのステップ
人は見た目が整理されていないと、考え、決断することはできません。ここで紹介するのは、「視覚で考える」ための方法です。
STEP1. A4用紙1枚に1案ずつ書き出す。
紙やホワイトボードに箇条書きにするのではなく、大きな紙に太いサインペンで1つずつ書きます。薄かったり細い字で書くと、「見にくさ」というノイズが入ってしまいます。企画が成功するか否かの重要なわかれ目なので、紙がもったいないとかケチくさいことは言わず、大胆にリソースを使います。
この段階では実現不可能に思えるものでも、構わずバンバン書き出していきます。
STEP2. 一次予選。机にA4用紙を並べて下選びする。
書き出したアイデアを机になら部、被っているもの、訳がわからないものだけを省きます。
STEP3. 壁に貼ってカテゴリわけ。カテゴリ名もつける。
アイデアをカテゴリ別に分類します。方向性が同じ、もしくは似ているものごとに並べ替え、カテゴリ(方向性)名をつけます。カテゴリ分けには「これが正解」というのはないので、カテゴリ名も自由に決めてOKです。
どこにも入らないものは「その他」の山に置いておきましょう。その他の山はボツになる可能性が高いですが、まだ捨てずにとっておきます。
この作業はあまりダラダラやってもキリがないので、ある程度時間を決めてやるのをお勧めします。30個のアイデアだったら、長くても10分〜15分くらいかと思います。
<イメージ図>
STEP4. 入れ替え。カテゴリそのものも変えてみる。
次に、縦方向でアイデアの入れ替えを行います。各カテゴリ別に一番良さそうなアイデアを上に動かします。この順位付けの段階で、その他の山に置いたアイデアを見返すと、新たなカテゴリに分類できることもあるので検討してみてください。
これで、タテとヨコの列の整理が完了です。
<イメージ図>
STEP5. カテゴリ別の一等賞を決め、全部で3つに絞る。
STEP4で並べたカテゴリ名の下に置いた、「そのカテゴリで一番」のアイデアをヨコ向きに眺め、その中から全部で3つに絞ります。
STEP6. 最後は感覚で、ひとつに決める。
アイデアは左脳、右脳を交互に使って絞り込みます。ここまでは左脳で言語化した「カテゴリ」という理屈で下地を作り、整理し、選択してきました。
最後は右脳、つまり感覚で決定します。感覚には言語化されない理由が含まれているので「勘」というのは案外バカにできません。
最初から勘でテキトーに選ぶのではなく、きちんと理屈で絞り込んでから、最後に感覚を使うというのがポイントです。
せっかく苦労して生み出したアイデアをテキトーに選んで他はボツにしてしまうのはあまりにもったいないです。生み出したアイデアを決める段階こそ、大切にしてみてはいかがでしょうか。
・参考資料
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