高校中退後17年間フリーター。乱歩賞作家・下村敦史先生とは?

カテゴリー 小説・シナリオ半熟セミナ

次に応募する新人賞を探してて、すごい人見つけちゃいました!『闇に香る嘘』で2014年、第60回江戸川乱歩賞に輝いた下村敦史先生。なんとも、人の良さそうなお顔ですね〜

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この『闇に香る嘘』。歴代受賞作の中でもとりわけ秀逸という噂の作品です。

「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門 第2位
「このミステリーがすごい!2015年版」国内編 第3位
歴代の江戸川乱歩賞受賞作で両ランキングのベスト3に入ったのは史上初の快挙!

 

この人の経歴がすごく良いんです。勇気をもらいました。

下村敦史(しもむら・あつし)
1981年京都府生まれ。99年に高校を自主退学し、同年、大学入学資格検定合格。2006年より江戸川乱歩賞に毎年応募し、第53回、第54回、第57回、第58回の最終候補に残る。2014年に9回目の応募となる本作で第60回江戸川乱歩賞を受賞。

これ読んだ時、最初は高校中退して飛び級で大学に入ったのかと思ったんですよ。「ハイハイ、乱歩賞作家ともなるとやっぱ頭の出来が違うのね」と。

でも違いました。

 

下村敦史さんってどんな人?

わたしのような小説家志望者としては、こういう大きい賞で話題になった新人作家さんのニュースとか見ると、一番気になるのはやっぱり「受賞するまで、何(どんな仕事)をやったのか?」なんですよ。

高校中退、実家暮らし、フリーター →乱歩賞作家

高校を中退してから16年、17年たっていますが、その間、何か仕事はしてきたのですか?

「ずっと実家で親と同居しています。お金が必要になったときだけ仕事をするフリーター生活でしたが、そんなに生活に苦労することもありませんでした。ただ、すぐ隣に祖父母が住んでいて、介護が必要な状態だったので、家族がそれぞれできることをしなければいけない状態が続いていました。両親には厳しい祖父ですが、自分だけは気に入られていて、自分が行くと祖父は穏やかになる。祖父と両親との間の橋わたしという存在になってきました。とにかく身近なことで精いっぱいでしたね」

ちょっと前のわたしだったら「けっ<(`⌒´)>ニートかよ。そりゃ気楽に執筆できて良いですよね」って妬んでたところでしょうが(←嫌なヤツ)、今はすごく賢いなぁと思います。

 

ホリエモンさんは「常に自分が最高のパフォーマンスを出せるようにするためには、どうすれば良いか、を考えるのが大切」とどこかでおっしゃっていましたが、下村敦史先生がやったことってコレに近いのかなと。

小説家志望の人がやるべきことって「いい作品を書くこと」だけなんですよね。ここに向かって自分の持てる全エネルギーを投入して、ようやくプロになれるかなれないかという世界。

実家に居場所があるのなら、変にカッコつけて一人暮らしを続けるためにフルタイムで働いてぐったり疲れた体をおして睡眠時間を削ってちょっとずつ書くより、「ごめん、力を貸してくれ」と家族を頼って執筆に集中できる環境に身を置いて書いた方が、どう考えても良いパフォーマンス出せますもん。

 

毎年応募、8回の落選

っていうか、2006年から毎年乱歩賞に応募、8回の落選を乗り越えての受賞ですよ。しかも書き直しじゃないんですよ。毎年新しい作品で応募してるんです。

すごい。すごすぎる。9年間……って。もし自分だったらと思うと、、、9年もの間、無名&フリーターで頑張り続けられるだろうか……っていうかマジどうしようわたし(●´・_っ・)

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「あきらめずに書き続けられたのは、身近な読者がいたから」

しかも下村敦史先生、家族や友人に自分の作品を読んでもらい、時には赤でアドバイスを書き入れてもらっていたとのこと。コレは凄いことですよ。事件ですよ。

一度でも小説を書いたことのある人ならわかってもらえると思いますが、自分の作品を他人(しかも身近な人)に読んでもらうのって、めっっっっちゃくちゃ勇気いるんですよ。恥ずかしいし。

文章全般に言えることだと思うんですが、小説だと特に、自分が秘密にしていたい「闇の部分」「思想」とかが顕著に出ちゃうんですよね。。。セリフの端々とかに。「この登場人物、○○さんに似てるわ」とか気づかれちゃったりもして。

小説に限らず漫画とかでも、自分のかなり深いところ(=テーマ)を探って物語に反映させたりするので、家族のように自分のことをよく知ってる人には、必要以上に伝わってしまう気がするのです。それを読まれるどころか、こっちからお願いして「読んでください。そして忌憚なく感想を教えてください」なんて、、、なかなか言えないですよ。すごいです。

 

これも実家でフリーターしながら執筆を続けたのと同じく、「個人的なプライド」よりも「作品」に重きを置いたからこそできただと思うんです。そうじゃないと無理ですよ。家族に作品読んでもらうとか。

……と、いうことに気づかされました。自覚なかったですが、自分なんかまだまだ全然、くだらないプライドを捨てきれてなかったんだなぁと。わたしも次の応募作は、家族に「読んでください」ってお願いしてみようと思います。

下村敦史先生、大切なことに気づかせてくださってありがとうございます。

 

闇に香る嘘』ってどんな話?

原題は『無縁の常闇に嘘は香る』だそうです。個人的には原題の方が好きなんですが、、、まぁ全盲の男性が主人公だから「闇」なんでしょうね。

内容(「BOOK」データベースより)

27年間兄だと信じていた男は何者なのか?村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。竜彦は偽者なのではないか?全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う―。第60回江戸川乱歩賞受賞。

 

何でも、ものすごいトリックが隠されているとか。

前述したような前評判やAmazonレビュー読んでて、どうしても読みたくなったので先ほど購入しました。読んだら、別途記事を書きます。

楽しみだなぁ(人´ω`*)

 

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・参考サイト

嗜好と文化:第45回 下村敦史さん「高校中退から」-毎日新聞

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