新人研修の「同期は一生の宝物」教にまったく付いていけなかった件
某国内ITコンサルティング会社に新卒で入社して、最初に研修リーダーから言われた言葉がこんな感じで、ぶっちゃけかなり面食らったのを思い出しました。
同期は一生の宝物。
研修が終わってプロジェクトに出てバラバラになっても、いまここにいる同期はずっと仲間です。
いや、わかりますよ。これから半年間の研修の間、みんなで協力しながらチームワークを学びましょうよと。
「同期は一生の宝物」教の不気味さったらない
でも、研修って成績が付けられるんですよね。筆記・プログラミングのテストの点数と、研修リーダーによる評価(リーダーシップ、コミュニケーション、マインド)で。
で研修が終わると、成績順で希望のプロジェクトに入れるという仕組み。良いプロジェクトに入れればスキルアップも出来て良い経験値が詰めるのですが、炎上中とか変なプロジェクトにぶっ込まれるともう悲惨なんですよ。ぶっちゃけ、最初に入るプロジェクトで明暗が分かれるというか。今後その会社でどういうキャリアパスを描くかが、最初どこに入れるかで決まってしまうという現実がありました。
当然、新人のわれわれもそういう情報を諸先輩方から聞いたりしてザワザワするわけです。もう研修でどれだけいい成績を残せるかが、人生の分岐点になってしまうんです。わたしは、受験とか就活とかと同じレベルで考えてました。他の同期もかなり殺気だっていたので、まぁ似たようなもんだと思います。
個人別で成績が付けられる=問答無用で個人競技=日々是決戦
プロジェクトに出たら、助け合い&コミュニケーションが必要だし、チームワークが大切だというのはわかります。同じプロジェクトのメンバーは、ひとつのシステムを分担して創り上げる仲間ですから。でも研修で、成績を付けられて、しかもその成績で人生決まっちゃうんですから、その中で助け合って仲良しごっこしなさいというのはちょっと違うんじゃないかと。
プロジェクトに出た時にチームワークが重要だから研修でそれを身につけろというなら、研修で順位をつけてその順位で命運が分かれるというのはそもそもおかしな話です。しかし現場のプロジェクトリーダーたちからしてみれば、より優秀な新人が欲しいに決まっていますから、成績は付けてもらわないと困るわけです。
かくして、「同期は一生の宝物」と異口同音に唱えながら水面下ではバチバチの敵同士という最高に気持ち悪いシチュエーションが完成したんですね。
自分の成績順位がひとつ上がるということは、同期の別の誰かの順位がひとつ下がることを意味します。そして「良いプロジェクト」に入れるメンバーは数名。あとは大型プロジェクトにぶっ込まれて何年もモンキーテスト要員になるしかないのです。
つまり、言ってしまえば周り(同期)は全員敵なんですよ。
そんな中で「同期は一生の宝物」って言われても……というのが私の正直なところでした。
まぁ評価項目にコミュニケーションとかマインドとかよくわかんないのもあるし、受験とか就活面接の時みたいに「日々是決戦」モードで鼻息荒く望む感じではないな(少なくとも表面上は)、くらいの認識でした。
あれから6年。思えば、すごい新人研修だった。
まず、研修を卒業できずに辞めさせられた人が同期20名中3名いました。
この人たちは良い成績を取ろうと必死になるあまり、筆記テストで不正を働いたんですね。まーひらたく言えばカンニングです。見せてあげた人が1人(男)と、見せてもらった人が2人(男1女1)。
やけに不機嫌そうな研修リーダーが全員を会議室に招集するので何かと思って聞き入っていると、その3人を前に立たせて
「非常に残念なことに、彼らは筆記試験で不正をしました。こういうことを研修でしてしまうような人たちはうちの会社にはいりませんので、明日から彼らは研修に参加しません。以上」
と言い放ったのです。
まさしく公開処刑、さらし首なのであります。あの時の同期たちの凍り付いた面々、立たされて泣きじゃくる3人が忘れられません。会議室から出て、同期たちは「まぁ、カンニングはダメだよな」「しゃーないんちゃう?」とささやき合っていました。
それを見てわたしはこう思いました。
これは全然、一生の宝物じゃねぇな!!
というか”仲間”ですらない!!
あとこの研修ムチャクチャだなwww
ちょうど就職氷河期で、せっかく内定とって入社したのにわずか数ヶ月でクビ……再就職の面接では、「あれ? 前の会社、たったの3ヵ月で辞めてるじゃない。どうして?」と100%突っ込まれるでしょう。もし自分だったら、、、と膝が震えました。
彼らはいまどうしているんでしょうね。。
あれから6年が経ちました。
まず、研修を出れなかったのが3人/20人、最初の3年で辞めたのが12人/20人(しかもこの間に、2人いた研修リーダーが2人とも辞めましたw)。わたしも4年目に子会社に転籍したのでその後はわかりませんが、、、
いま、スマホの電話帳にあの時の同期の名前はひとつもありません。ちゃんちゃん。
p.s.
同期って一口に言ってもいろんな人がいます。全員と馬があうわけじゃないし、全員が一生の宝物になるなんてこともありえません。
一生の宝物って、強制されて見つけるものじゃないし、そういう巡り合わせはあんな戦々恐々、ギスギスした環境では難しいんじゃないかな。新人の時はそんなこと考える余裕もなかったけど、いま思い返すと、やっぱあの研修はカオスだったなぁと。
2件のコメント
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これはマジでわかります。
「同期」ってのは、例えてみれば「電車で同じ車両に乗り合わせた人達」くらいなモンなんですよ実際・・・(;^ω^)
途中で降りようが(退社しようが)、痴漢で捕まろうが(カンニングで叩き出されようが)、自分に実害が無ければあまり興味がわかない訳でして。
さらにそこにお金がリアルに絡んでくるのですから、いわゆる仲良しごっこには限界があると思うんですよね!
しかしキース教官(研修リーダー)も割と会社に洗脳されて追い込まれてたんやろな・・・そりゃ頭もムケるわ(´・ω・`)
わかっていただけて嬉しいです!
ええ、私も全く同感で。
実害がなければ興味わかないし、仲良しごっこもやっててサムいんですよね……
研修中は自分がおかしいのかなと思ってましたが、やっぱ間違ってなかったっ
どこの企業でも、新人研修=洗脳以外の何物でもないのでは〜と。
ま、ほかの会社のは受けたことないのでわかりませんけど(・ω<)てへぺろ