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劇なのに劇的なことが起こらないwww 32歳の負け犬女がボクシングを始める映画「百円の恋」

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どうも、30歳の負け犬女、白戸です。

32歳の負け犬女がボクシングを始めることで、少しずつ変わっていくという映画「百円の恋」。「百年の恋」と掛けてるんだと思いますが、ラブコメではありませんので要注意です(笑)

でもそんなことはどうでも良いと思えるくらい、めちゃくちゃ感情移入できました。予想通りです。つまり、めちゃくちゃ良い映画でした。

あと、少し元気が出ました。

劇なのに、劇的なことが起こらないwww

この映画で私がもっとも評価したいのは、「劇的なこと」が全然起こらないという点。リアルで、生々しくて、すべてのシーンにおいて生活感溢れまくりなのです。

間違っても「憧れ」を抱くような素敵なキャラは出てきません。

登場人物全員が「等身大」、起きる出来事も思わず目を覆いたくなるほどの「身近さ」なのです。

月9ドラマみたいに、子供の頃に結婚を約束した男の子がイケメン若手IT社長になって白馬に乗って100円ローソンでバイトしている主人公の前に現れる的なイベントは一切発生しません。

「等身大」すぎる登場人物たち

現実世界では「世界が違うスゴイ人」との出会いなんてありませんが、そういう所も忠実に表現されています。映画なんだからちょっとくらいドラマチックにすればいいのにと笑ってしまうほどの思ってしまうほどのリアリティ。

以下、ネタバレ注意です。先に映画を見たい方はコチラ↓

主人公:斎藤一子(いちこ)

顔面偏差値40、太め、無愛想、32歳独身未婚、彼氏どころか友人もなし。実家の弁当屋「さいとう亭」でニート生活中。手伝いもしない。

女優:安藤サクラ

主人公の周りの人たち

さいとう亭:主人公の実家で弁当屋。

気の弱い父、しっかり者で苦労人の母、離婚して子連れで出戻った妹、いじめられっ子の甥、一子(主人公)の5人。

100円コンビニ:全商品100円のコンビニ。レジが簡単。

鬱病のやとわれ店長、堕ちたエリート男、マジスカしか言わない金髪男子、バイト歴20年のおしゃべりおじさん、毎日廃棄弁当を貰いに来る元バイトのおばさん(レジの金を盗んでクビになった)。

相手役:狩野

中年ボクサー。体も締まっていてイケメンの部類に入るが、「くすぶり感」が半端ない。無愛想で怖い。よく、一子のバイト先の100円コンビニにバナナを大量買いしにくる。

俳優:新井浩文

完全ネタバレあらすじ

ボクシングを通して負け犬女が「少しだけ」変わるという映画。カギかっこでくくったことからもお分かりの通り、少しだけ、というのがポイントです。

よくある「ボクシングを通してダメだった奴が見違えたように生まれ変わって、恋も仕事も大成功、死んだ両親も蘇って全人類が隕石の危機から救われるサクセスストーリー系」ではありません。

そんなチープな映画ではないのです。いや、百円なんですが、そこが逆にチープじゃないのです。あれ、何言ってんだろ私。

①主人公、実家を出る。

短気な妹が離婚して実家にやってきて1週間、32歳でだらしのない姉の一子にブチ切れて殴り合いの喧嘩になるところから、物語がスタート。

喧嘩は、いつもの朝食の、何気ない母の一言から始まります。

朝食の席で母と一子が「歯医者へ行く行かない」で押し問答になるという生活感溢れまくりのシーン。

母「一子、あんた歯医者行ったの?」

一子「もう治ったからいいや」

母「あんた、ちゃんと行きなさい。歯周病なんてなかなか治らないんだから。下水道みたいな臭いさせて、恋人できたらどうすんの」

妹「ありえない」

一子「あー、ありえないと思うよ。あたし女捨ててっからね」

妹「捨ててんじゃなくて捨てられないんでしょ(←処女のこと)」

母「やめなさい、朝から下品な話」

妹「つかさーあんた誰の金で歯医者行ってんだよ。今いくつよ。親に歯医者行けって言われる歳じゃねーだろ」

一子「だから行かないっつってんだろ」

妹「行く行かないじゃなくてさ、何考えてんだっつの。あんた親の年金ねらってんでしょ。あんたみたいのはね、親が死んでも平気で死体隠す豚になんだよ」

ニート、もしくはそれに近い生活をしている視聴者には耳が痛いセリフですね。こんなん、言葉の暴力どころの話じゃありませんよ。私にはクリティカルヒットしました。

これで一子がブチ切れ、皿を投げ、ケチャップを頭に絞られ、星一徹ばりのテーブル返し&殴り合いが勃発。

父が騒ぎを聞きつけてやってくるが、オロオロするだけ。母が泣きながら「もうあんたたち出て行きなさい!殺し合いになる前に!」と叫ぶ。

これがきっかけで、一子は「あたしが出てく」と、ついに32年間居座り続けた実家を出ることになります。

②100円コンビニでバイト生活

鬱病のやとわれ店長、堕ちたエリート男、マジスカしか言わない金髪男子、バイト歴20年のおしゃべりおじさん、毎日廃棄弁当を貰いに来る元バイトのおばさん(レジの金を盗んでクビになった)。

あけすけに言ってしまえば「底辺」の人たちの巣窟ですが、一子は見事に「無愛想担当」として馴染みます。

一子はコンビニとアパートの間にあるボクシングジムで、トレーニングに励む狩野を見つめます。

③狩野がコンビニにやってきて、バナナを大量買い

はい。これが二人のファーストコンタクトのシーン。狩野がレジを挟んで話しかけてきます。

「あんた、よくジムの前通る女だろ」

④狩野からの突然の誘い

この映画でもっとも劇的なシーン。コンビニから帰る途中の一子がボクシングジムを通り過ぎる時、狩野が声をかけてきます。

「今度、どっか行かね?」

⑤ほぼ無言。シュールな初デート@動物園

彼氏いない歴32年の一子は、突然の誘いに戸惑いながらも100円コンビニで買った勝負下着をつけて、花柄のワンピース姿でデートに参戦。

「なんで私なんかを?」と当然の質問をする一子に返した狩野の返事は、

「断られなそうだったから」。

うん、シュール。

⑥狩野からボクシング試合のチケットをもらう

狩野が試合のチケットを2枚、一子に渡します。渡し方もめちゃくちゃシュール。

バナナを大量買いしに来た狩野がレジで「金忘れた」と言い、「代わりにこれでいいだろ」と渡したのが試合のチケット。でも、狩野の一子に対する熱量を見てるとツンデレ的なことではなく、マジで金忘れただけだと思います。

⑦狩野の引退試合

一子がチケットを受け取った現場にたまたま居合わせたおしゃべりおじさんと一緒に試合観戦。一子はおじさんにセクハラされながらも、ボクシングの試合を食い入るように見ます。

「ボクシング、、、いいな」的な視線です。

狩野は相手の若手ボクサーにボロ負けして試合終了。惨めです。

試合後、おしゃべりおじさんの誘いで3人で飲みに。狩野は途中であっさり帰り、一子は飲まされて動けなくなり、おしゃべりおじさんにホテルへ連れ込まれ、強姦されます。処女喪失ですよ。このおじさんとのホテルでのやり取りも、もう目も当てられない生々しさ。ぞっとしますよ。

⑧狩野は消え、一子はボクシングを始める

狩野目当てでジムを覗いていたら、ジムのおじさんに中へ誘われ、半ば強引に入会させられます。

狩野がジムを辞めたことにがっかりしながらも、少し興味を持ったボクシングのジムに通い始めます。

そんな日々を過ごす中、ふらっとコンビニに来た狩野がゲロを吐いて倒れます。

⑨夢の?同棲生活スタート

ボクサーを辞めた狩野は、することもなくぶらぶらしていた様子。

風邪でゲロ吐いて倒れたところを一子が家に連れ帰って看病したのをきっかけに、そのまま居座ります。完全にヒモですが、一子は嬉しそう。初めての彼氏(?)で、しかもイケメン。腐っても元ボクサーですからね!

10)ライバル出現であっさり捨てられる

一子にとっては甘い同棲生活でしたが、狩野にとっては一子はただの都合の良い女。住居と食べ物と体を提供してくれるだけの存在です。

イケメン狩野に、若くて可愛い女の子(豆腐屋)がアプローチしてきます。

狩野はあっさり乗り換え。豆腐屋でバイトを始めたと思ったら、「ちょっと立ち読みしてくる」と一子の家を出たまま帰らなくなります。

11)一子、本気でボクシングにのめり込む

いきなり、パンチのキレが変わります(笑)

トレーニングも、これまでのだらだらぶりが嘘のようにキレまくり、走りまくり、殴りまくります。

結果、(これは女優の安藤サクラさんに拍手)だるだるだった体もビシッと引き締まり、表情も心なしか明るくなります。

12)狩野、一子がボクシングしている姿を目撃

若い女にあっという間に捨てられた狩野が、かつて自分が通っていたジムで一子が猛烈トレーニングしている姿を発見。しかし声はかけません。

13)「ちょっと変わったな。お前」と父に言われる

一子の実家、「さいとう亭」で母が転んで骨折。人手が足りないから手伝ってくれと父が一子のアパートにやってきます。そこで、一子の変わりぶりを見て、「お前、ちょっと変わったな」とニコニコ。

そう、一子は「ちょっと」変わったのです。

まず体型。あと、これまで腐った魚の眼みたいだった濁った目もしなくなり、笑顔を見せることも。これまでの一子からは考えられない成長です。

「歳とってから、俺みたいに自分に自信がないのは惨めだからな。お前がそうならなくてよかったよ」と父。

あーん、そんなこと言うなヨォと泣きそうになりました。良いお父さんです。

14)一子、プロ試験に合格

筆記と実地(試合)のプロ試験。年齢制限はちょうど一子の年齢、32歳まで。ジムのコーチに頼み込んで、プロ試験を受けさせてもらいます。

ここでもコーチの厳しい言葉。

「困るんだよね、あんたみたいな人。男でもさ、よくいるんだよね〜30歳になって何もない自分に気づいて、ボクシング始めるやつ。ボクシングそんなに甘くないっつの」

しかし一子は全然気にする様子はありません。強くなったね!結局、試験を受けて見事合格します。

晴れてプロボクサーの仲間入りです。

15)実家に一時帰宅

父の申し出を一子は快諾。実家に手伝いに戻ります。父が「あいつボクシング始めたんだって」とニコニコする様子に、妹は戸惑いながらも前のような衝突はなくなります。

16)狩野との再会

そこへ突然、工事現場の作業服を着た狩野が弁当を買いにやってきます。

狩野は売り子が一子だと気付いた瞬間、ダッシュで逃げます。一子もダッシュで追います。

トレーニングで鍛え抜いた一子は狩野と捉えます。(笑)

「なぜボクシングを始めたのか」と問う狩野に、一子はうまく答えられません。しかし、「プロになってからの初試合があるから見に来てほしい」としっかりと伝えます。

17)プロとしての初試合

さいとう亭のみなさん、狩野が試合を見にやってきます。登場音楽は100円コンビニのBGMというシュールさ。

試合相手はドレッドヘアの若手ボクサー。強そうです。

完全に一子の敗北を確信しているコーチは

「ボコボコの顔にだけはされないようにな」

「お前のパンチなんて一発も当たんないよ」

とデリカシーのない発言を連発。

それでも一子の闘志は揺らぎません。これまでの32年間の負け犬人生の中で溜まりに溜まった鬱憤を晴らすかのように、ギラギラの目でリングに登ります。

18)一発も入れられないまま、ボコボコにされる

コーチの言う通り、一子のパンチは全然当たらず。ボコボコに殴られて一子は血まみれでパニックに。「もうやだ」と泣く一子に、コーチや「さいとう亭」の人たち(主に妹)がヤジだか励ましだかわからない言葉を浴びせます。

「大丈夫、まだいけるな!立て」

「何しに来たんだお前、一発くらい入れろ!」

完全に心が折れたっぽかった一子ですが、最後の闘志を振り絞り、相手に一撃を浴びせます。しかし相手は倒れず、逆にカウンターをもらって一子KO。

伸びてる間に試合は終了。

19)一回でいいから、勝ちたかった…っ

戦い抜いた一子を、出待ちしていたのは狩野。

一子は子供のようにむせび泣きながら、狩野の前に立ちます。

「一回で良いから、勝ちたかった…….っ」

このセリフの重み、わかりますか。これまでずっと勝負すらせずに負け続けだった自分の人生の中で、初めて真剣に努力して挑んだ「勝負」。それに負けたのです。この悔しさと言ったら…

狩野は優しく微笑み、「飯でも行こうか」と一子の手をとって歩き出します。

映画はここで終了。

わたしの敵は、わたし。

長くなってしまいましたが、めちゃくちゃ良い映画でしょ。最後、都合よく一子が勝ったりしないところが、素晴らしい。そうです。現実はそんなに甘くないのです。32歳までニート生活していた女が、本気でトレーニングしてプロになった初試合で、あっさり勝てるわけないのです。

相手は10代のころから、ずっと「本気でトレーニング」してきたわけですから、そんなポッと出の元ニート女があっさり勝てる方が不条理です。

他人と比べてしまったら、「本気の一子」でも全然「足りていない」んです。

しかし、他人と比べて自分に失望し、歩みを止めるのが一番ダメ。映画の中で、一子は初めて「本気で」なにかに取り組みました。その結果、もっと本気でずっとやってきた他人に負けましたが、「過去の一子」と比べれば圧勝なのです。

そうやって、少しずつ前進していくしかないんだよね。としみじみ思わせてくれる、良い映画でした。

ほぼ完全ネタバレしましたが、実際、映像で見て欲しい映画です。ハリウッド映画とは全然意味合いが違いますが、妹との喧嘩、おじさんに強姦されるシーン、ボクシングの試合は、めちゃくちゃ迫力あります。

現実の救いのない世界でも、自分が変わることで、少しだけ周りも変わっていくんだなと。がんばろう、と。

そんな感じで感化された私です。久しぶりにランニング行ってきます。

それでは!

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コメント

  1. 矢戸だいはち より:

    プロ試験に合格しただけでも十分成功している気がするのは、私だけですかね。