どうも、白戸です。
「自分には記憶力がない」と思っているあなた。
今日の記事は、もしかしたらあなたの人生を劇的に変えるかもしれません。
例えば、100個くらいのランダムに並べた単語リストであれば、努力とは誰も呼ばない程度の労力で記憶できてしまう記憶術が存在するのです。(学生の時に知ってたら学校一の天才になれたかも)
私はこの記憶術を本で読んで知った翌日、小田急線の新百合ケ丘駅から千代田線の新御茶ノ水駅までの移動中に、通過した駅名を全て記憶することに成功しました。
これは2週間ほど前のことですが、未だに「新百合ケ丘、百合ヶ丘、読売ランド前、生田、登戸、和泉多摩川、狛江、喜多見、成城学園前、祖師ケ谷大蔵、千歳船橋、経堂、豪徳寺、梅ケ丘、世田谷代田、下北沢、東北沢、代々木公園、代々木上原、明治神宮前、表参道、乃木坂、赤坂、国会議事堂前、霞が関、日比谷、二重橋前、大手町、新御茶ノ水」とソラで言うことができます。
これは、以前の私では考えられないことです。部屋からリビングに行くまでに何を取りに来たか忘れるレベルの記憶力だったので。いやぁ、記憶できるってめちゃ楽しいです!
みなさんもこの記事を読みながらぜひ、実際に紙とペンを持ってやってみてください。
天才たちの記憶術「記憶の神殿」は実際に作れる
「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士、シャーロック・ホームズ、アメリカTVドラマ「メンタリスト」のパトリック・ジェーンなどの天才たちが使っている「記憶の神殿」って聞いたことあるでしょうか? (記憶の宮殿、マインドパレスなど、いろんな呼び方があります)
そんなんただの「天才キャラ」の設定でしょ
と思っていたのですが、実は「記憶の神殿」は「場所法」という記憶術を究極的に昇華させたもの。「場所法」は紀元前85年の「ヘレンニウス弁論書」という本の中で初めて説明されており、古来より天文学者や占星術師が使っていたれっきとした技術なのです。
彼らはありとあらゆることを記憶していて、しかもいつでも好きな時に、自由自在に引き出せます。
例えば、シェイクスピアの作品を出版順に全て言えたり、トランプのブラックジャックで出てきたカードを全て記憶して必勝したり、パーティで出会った人全ての名前と座席の場所を記憶したり。
このレベルに到達するにはそれなりの時間(記憶の神殿の構築期間)が必要ですが、例えば、日頃のちょっとした買い物リスト、友人の連絡先、身の回りのパスワード、忘れたくない取引先の重役の名前、読んだ本の著者と概要などであれば、誰でも簡単に記憶することができます。
ちなみに「場所法」は、「関連付け法」を応用させた記憶術。この記事ではまずは関連付け法をご紹介します。訓練とか必要ないので、気楽にチャレンジしてみてくださいね。
20個のランダムな単語を順番通りに記憶する
百聞は一見にしかず。
ますは以下の20個のリストを順番通りに、できるだけ覚えてみましょう。(目安時間:5分)
- うさぎ
- キャベツ
- りんご
- 電話
- ガム
- ノートパソコン
- 郵便局
- トマス・ハリス
- ボール
- タバコ
- デッサン
- 目標
- 診療
- オットセイ
- コーヒー
- マラソン
- お正月
- カーテン
- 祖母
- 研究所
では、覚えた単語を紙に書き出してみましょう。
できました? いくつ書き出せましたか?
もしかしたらあなたは賢い人でこの方法をすでに知っていて、ほとんど全部覚えられたかもしれませんが、その場合はこの記事は読み飛ばしてもらってもOKです。
普通に正攻法で覚えようとしたなら、一般的には7個くらいが限界です。単語をつなげて物語にする方法をとった人もいるかもしれませんが、それでも10個目くらいで頭がぐちゃぐちゃになると思います。
ついでに、今度はリストの最後から逆に思い出してみてください。
どうでしょう? これはかなり難しいのではないでしょうか。
たとえいくつかの単語を覚えられていたとしても、この時点で、最初に覚えていたはずの単語すらどんどん記憶の闇に吸い込まれていって、もう一度思い出すのはほとんど不可能になっているのではないでしょうか。
関連付け法
お待たせしました。関連付け法について説明します。
関連付け法というのは、一つ一つの単語を視覚的な絵柄で隣の単語と関連づける、というものです。絵柄はどんなものでもいいわけではなく、以下の条件を満たしている必要があります。
- 絵柄は鮮明で、それを見て「おかしい」と思えるものにする。
- 隣り合った絵の要素は互いに影響し合っていること。ただし、AとBが隣に立っていました、というのではダメで、AがBで作られていたり、AがBの中に押し込まれていたり、殴り合っていたりする方がいい。
では、さっきのリストを関連付け法で覚えてみましょう。
自分で作ってみてもいいですが、まずは私が作ったイメージを記載するので、頭の中に絵柄を思い浮かべながら読み進めてみてください。
うさぎ/キャベツ
空からいも虫がぼたぼたと降り注いでいる中を、うさぎが大きなキャベツの葉っぱをヘルメットみたいにかぶって、跳ね回っている。キャベツは降ってきたいも虫にかじられて穴だらけだ。
キャベツ/りんご
骨折して入院していると、母がお見舞いにきた。母は果物ナイフを使って大きなキャベツを切ってうさぎさんの形にしようとするが、葉っぱがバラバラになってうまくいかない。
りんご/電話
りんごからコードがのびている。かじったらシャリっというかわりに「ジリリリリッ」と黒電話の音がした。
電話/ガム
受話器を耳に当てたら誰かがいたずらで付けたガムが張り付いた。髪の毛にもくっついて全然取れない。
ガム/ノートパソコン
風船ガムをかみながらノートパソコンで作業していると、ガムが大爆発した。ノートパソコンのディスプレイが無残に割れて、キーボードの破片があちこちに飛び散ってる。
ノートパソコン/郵便局
郵便局の入口に新品のノートパソコンが広げた状態で置いてある。中から慌てて飛び出してきた配達員が気付かずに踏んで、パソコンは真っ二つに割れてしまった。
郵便局/トマス・ハリス
機関車トーマスが郵便局に衝突。壊れた壁から手紙が吹き出して、トーマスの顔にハリついている。
トマス・ハリス/ボール
河川敷でが野球をしている。ボールが飛んできたのでキャッチすると、それは真っ赤でぱんぱんにハリのあるトマトで、手に当たった瞬間に風船みたいに割れて中身が飛び散った。
ボール/タバコ
タバコくわえてライターを押すと、火ではなくボールが飛び出してきた。顔面を強打して鼻血が止まらない。
タバコ/デッサン
美術室で高校生が胸像を囲んでデッサンを描いている。全員くわえタバコで作業していて、部屋は煙で真っ白になっている。
デッサン/目標
マイナス5kgを目標に流行りのダイエット合宿に参加した。参加者は全員、電柱サイズのとてつもなく重い鉛筆を使って、道に広げた紙に痩せた姿の自分の姿をデッサンしている。
目標/診察
病院にいくと、医師がものすごいスピードで聴診器を胸に連打してくる。医師は10秒間に300連打が目標だと説明した。
診療/オットセイ
ドキュメンタリー番組で、オットセイが海中に潜っていく映像が流れている。オットセイはなぜか白衣を着て聴診器を首から垂らしている。水をかくたびに白衣がゆらゆら揺れて幻想的だ。
オットセイ/コーヒー
水族館でオットセイがショーをやっている。鼻先にボールを乗せて器用にバランスを取っている。ボールの上には湯気の立ったコーヒーカップが乗っていて、バランスを崩しそうになると黒いコーヒーがこぼれる。
コーヒー/マラソン
マラソン大会に参加した。コースにはぎっしりとコーヒー豆が撒かれていて、いたるところで参加者が足を滑らせまくっている。踏み砕かれたコーヒー豆からは香ばしい匂いが立ち上っている。
マラソン/お正月
家族でおせちを食べていると、窓からマラソンランナーが次々と入ってきて玄関から出て行く。うちの中がコースに含まれているらしい。
お正月/カーテン
お雑煮の餅がゴムみたいに伸びて全然噛み切れない。無理矢理引っ張ると、箸が滑って餅がカーテンに飛んでべったり張り付いた。それを見ていた親戚の子供が真似をしてカーテンに餅を投げつけ始めた。
カーテン/祖母
祖母がスーパーマンみたいに空を飛んでいる。背中ではためいているのは赤いマントではなく黄ばんだカーテンだ。かっこ悪い。
祖母/研究所
近代的な研究所に見学に行くと、祖母の顔をした老人型アンドロイドがずらりと壁に並んでいる。アンドロイドなのに背中が曲がっていて、物忘れも激しい。
さて、では先ほどと同じように、紙とペンを持ってリストを上から順に書き出してみましょう。「うさぎ」からスタートです。
レッツゴー!
いかがでしたでしょうか?
もし鮮明に頭にイメージしなかったものがあれば、もう一度やり直してみてください。私のイメージが微妙なら自分で覚えやすいものに変えてみましょう。
それから、いくつ思い出せるか試してみてください。
おそらく、この方法では、最初にやった覚え方よりかなり先まで簡単に思い出せるようになったはず。しかも、あなたは必死に血眼になって暗記しようとしたわけではなく、私が書いたおかしな文章を目で追っただけです。
しかも、この方法を試してまだ1回目です!
すごいでしょ。
このすごさに興奮したら、次はリストの下から逆に書き出してみましょう。研究所、、、
楽しくなってきましたね!
もうTODOリストやアラートアプリは不要!
実際にやってみた方は、関連付け法のすごさに衝撃を受けたはず。
次はランダムな単語ではなく、実際に日常生活で活用したくなったことと思います。もちろん、関連付け法はすぐにでも日常生活で活用できます。
例えば、買い物リストやパスワードなどを覚えるのにとても便利。
覚えておかなければならない大切なことは、関連付け法を使って記憶しましょう。
いちいち覚えなくてもメモアプリやTODOリストを「外付けハードディスク」として使えばOKという方。以前の私はその意見に大賛成でしたが、やはりそればかりに頼っていると使わない筋肉が衰えるように、脳の「記憶力」もガクンと落ちるという短所を忘れないでください。
私は大学を卒業してからは何かを覚えようとしたことはなく(特に固有名詞に関しては最初から覚えられないと決めつけ、また覚える必要もないと考えていました)、すべての覚えておきたい情報を「Evernote」で管理していました。
結果、学生時代はちょっと時間をかければ暗記できたようなことも、すっかり覚えられなくなっており、本も読んだ端から忘れていく始末。昨日読んだ本のタイトルすら思い出せない、みたいな。
「歳かな」と諦めかけていたので、この記憶術に出会えて本当にラッキーだったと思います。
まだ実際に試していない方は、ぜひやってみてください。後悔させません!
・参考文献
こちらの記憶術の章に、関連付け法はもちろん、場所法や「記憶の神殿」の作り方が丁寧に書かれています。長い数字の羅列なども覚えられるようになりますよ。私はこの「場所法」で3枚のクレジットカード番号と大切な人の電話番号、誕生日をすっかり覚えました。
ただいま、記憶の神殿をちょっとずつ拡張中です。マジ楽しいからみんなやってみ!マジで!