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「あの人、所帯染みたよね」って、ディスってるんだろうか。

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2016年6月末から配送のバイトをしています、白戸です。

今日は、某配送業者の配送センターで積荷作業中に洩れ聞いた「所帯染みる」ことについて考えてみました。

「配送業」は男性社会。その主な会話内容とは?

やはり力仕事なだけあって、男性が多いです。実際に宅配物を車に積んで、運ぶという仕事は9.5割が男性。年齢層は、みたところミドルは少ない気がします。

まず、20代の大学生とかフリーター。彼らは体力的にも余裕があるし、ちょっと遊ぶお金が欲しいという男の子。個人的には男の子、女の子、男子、女子みたいな言い回しは普段あまりしないのですが(だって「子」供じゃないし)、なんとなく、幼い感じの人たちが多いので。

他は、40〜60代。60代はわからないけど、40、 50代はミドルだろう、という声が聞こえてきそうですが、圧倒的に外見が老けている人が大多数なのであえて「ミドル」はいないと書きました。多分、紫外線のせいですね。肌老化の原因の9割は「紫外線」と言われていますし。ちなみにあと1割は加齢。いつまでも若く見られたいという方は紫外線対策に力を入れると良いと思います。

さて、そんな彼らですが、女性特有の、年齢とか体重とか顔の美醜とか持っているブランドとかに対するこだわりや偏見ってあまりないらしく、楽しい男社会を構築して結構うまくやっているように見えます。

わたしはシフトが少ないのもあり、女であるというのもあり、あまり踏み込んだ話の仲間には入れてもらえないのですが、遠くから観察したところ皆さんワイワイやっている感じ。伝票を整理するふりをしながらこっそり耳をすませていると、主に聞こえてくるのは、「荷物が多い」とか「暑い」とかあとは少しエロを含んだオンナの話。(多分、喫煙所ではもっと下品な話をたくさん話してると思う)

そこで、あー久々に聞いたなぁと感心したのが「所帯じみる」という言葉。50代半ばのA氏(既婚・子持ち・別居中)と20代前半のB君(彼女あり・ヤンキーっぽい)の会話では、こんな使われ方をしていました。

A氏「あ〜、XXマンションのXXさんね。たしかに、最近所帯染みちゃったかもな」

B君「そうっすよ!前はいつ行ってもメイクも完璧で、すっげーイイ匂いしたのに。今朝なんて、玄関に靴下落ちてたんですよ!多分、子供のですけど。すっぴんで、髪もぐちゃぐちゃ。しかもめっちゃ無愛想でしたからね。ただのオバさんですよもう」

A氏「オンナは子供産むと変わるからね、ほんと」

B君「俺、絶対いやですわ〜あんなに変わっちゃうとか、マジありえねーし」

これは客観的に聞いていて、なかなかおもしろい(funnyじゃなくinterestの意味)やりとりでした。

「所帯染みる」ってすごい言葉だと思う

所帯とは、住居や生計を同じくする人たちの集合体。結婚した時なんかには「所帯を持つ」と表現するし、単身の場合は、前にわざわざ一人をつけて「一人所帯」とか「一人世帯」と表現することから、「所帯」という言葉にはもともと「複数人」とか「ファミリー」のニュアンスが強いんだと思います。

#ちなみに世帯も所帯は同義と辞書にはありますが、その集合体のリーダーのことを「所帯主」ではなく「世帯主」と言うし、役所などでは「世帯」が一般的に使われているので世帯の方がよりフォーマルな感じなのかも。

話を戻しますが、では、所帯に「染みる」とはどういうことなんでしょう?

言葉通りの意味で想像すると、「所帯染みる」とは足のつま先まですっかり「所帯」に浸かって、「所帯」が身体に染み込むってことでしょうか。なんか違う気がします。

所帯染みる、と言う時って、例えば、

前述したXXマンションのXXさんのように、以前は控えめで外見にもお洒落にも気を遣っていたような女性が、結婚して子供を産んでジーパンにヨレたTシャツ、靴はスニーカーかツッカケで、肌も荒れて太って髪もボサボサ、大声で子供を叱り付けるいわゆる「肝っ玉母ちゃん」になった場合。これは、「あの人、所帯じみちゃったわね」と言われます。

女性に限らず男性でも、以前はパリッとしたスーツと照明の暗いバーの似合うイイ男だったのが、休日の過ごし方として「男友達との遊び」「デート」から「家族サービス」「家でゴロ寝」になり、体にまとう匂いが「酒」「タバコ」「オンナの香水」から「子供特有の乳くさい匂い」になった場合。これも、「あいつ、すっかり所帯じみたよな」と言われます。

これをもう少し抽象化すると、つまりはオス・メスとしての「性的魅力」がなくなったということではないかと。多分に「ガッカリした」というニュアンスを含んでいますし。

人は、どんな時に「所帯染みる」のか?

では、人はどんな時に性的魅力がなくなるんでしょうか。

年齢?

いや、なんか違う気がする。年をとっても、「セクシー」と呼ばれる人たちもいます。個人的な話ですが、私はクリント・イーストウッド(86)やジャック・ニコルソン(79)のことをセクシーだと思います。逆に、20代でも全くセクシーじゃない人もたくさんいます。

結婚?

これも違う気がする。結婚しても、(表向きは)いつまでもセクシーで素敵な夫婦だってたくさんいるし。もちろん、結婚した途端、お洒落も節制もやめてだらしなくなってしまう人もいますが、結婚したら必ず所帯染みるのかというと、それは違う気がします。

子供?

多分、やっぱり、一番の原因は子供なんじゃないかな。例えば、北欧調の家具で統一されたピッカピカのシックでモダンな部屋が、子供が産まれた途端(もしくはその少し前から)、電車のおもちゃやらキャラ物のタオル、食器などに侵食され始めます。

一般的に、ドラマや映画などで所帯染みたを表現したいという場合、必ず小さな子供が登場します。食べ物をこぼしたり、家の中を奇声をあげて走り回ったりね。あとは、家自体も散らかっていて、家具やインテリアにも統一感がない。全体的にごちゃごちゃしています。

それと、子供特有の「におい」というのがあります。ミルクとか、オムツとか、なんかそんな感じの体臭の一種だと思うんですが、悪く言うと「乳臭い」。これが、家とか洗濯物とかに、文字通り染み込む。

私は独身なのでこういうにおいって、結構よくわかります。ちょうど、タバコを吸わない人がタバコの臭いに敏感なのと同じ。

原因が「子供」だとすると、所帯染みるってそんなに悪いことだろうか?

子育てと家事で忙しくなった奥さんの多くは、自分のこと(主に外見)に時間を費やさなくなる、らしい。

仕事でいくら忙しくても、すっぴんで会社に出勤する女性やお洒落に興味なくす女性ってあまりいませんが、子育てや家事で忙しくなると、女性は化粧もお洒落もしなくなる。

物理的に外出の機会も減る上に、女から母になって男を誘惑する動機(欲求)が失われるんだから、当然といえば当然かもしれません。

男性は女性ほど顕著ではなくとも、やはり自分の子供が産まれたら大切しようとするでしょうし、女性を誘惑する動機も目減りしたりするんだと思います。

結果、どうしても「セクシーであれ」という気持ちは薄らぎ、外見も、少しずつ、なんとなく、だらしなくなる。今まで「舞台裏」に隠していたすっぴんとか、体臭とか、疲れを隠そうとしなくなります。

例えば、お洒落な服を見つけても「今のがまだ着れるし」とか「子供のための貯金にまわそう」とか考えて買わなくなり、服とか靴とか持ち物が少しずつ流行遅れの、着古した感じになっていく。

今まで体型を維持するためにやっていた筋トレとかダイエットもしなくなり、付き合いで遊びに行くのをやめた分、家で飲むお酒が増える。生ビールやワインじゃなく、安価だけど代謝しにくい化学物質がたくさん入ったチューハイや発泡酒を飲み、しかもいくら飲んでも「帰る」必要がないので量も増える。こうなると男女問わず、一気にメタボ道を突き進む人も少なくありません。

あと、女性だと体毛の処理をしなくなる人も多いらしいですね。

これらの、家族とか子供とか、いわゆる「生活臭」として外部に現れます。

たしかに、「(異性として)素敵だな」と思って見ていた人から、そんな風に性的魅力が消えてしまうのは、私のような独身者にとっては寂しいことです。

しかし、「所帯染みる」ってそんなに悪いことでしょうか。

所帯染みることを、嫌がる人もいれば、むしろ好ましいと思う人もいます。もう少し正確に言うと、嫌がるタイミングの人もいれば、好ましいと思うタイミングの人もいるのです。

「所帯染みる」が一般的にはネガティブな意味で通っているのは、単に、「所帯染みたね」という言葉を使う人の大半が、対象者を異性として見ていたというだけ。つまり、”そちら(独身者・求愛者)”からの視線しかないからです。

私の意見を述べさせてもらうなら、「所帯染みる」ことはむしろ、ある種の人たちにとっては追い求めてようやく手にいれた最終的な幸せである、こともある、ということです。

所帯染みることで得られる幸せ(子育ての充実感、家族の安心感・一体感など)もあると思うし、これまで「セクシーであれ」と緊張していた自分をゆるめ、その中でリラックスして生きて行くというのも、それはそれで素敵なことだと思います。

単に、人生のステージが違う所へ行ってしまったというだけの人を「所帯染みた」と安易にdisるのは考えものですが、私には気持ちはわからないでもないです。要は、憧れのその人を「ファミリー」に奪われたような、悔しい気持ちからの言動なのです。そういう言葉を吐くことで、「次」への切り替えを行うので、まぁいわば儀式みたいなものなのかも。インディアンが成人する時に派手に着飾って踊ったりするのと同じ。

また、「所帯染みた」当人は、そんなことを言われても別に気にせず、自分の幸せを満喫していればいいんじゃないかと。所帯染みることで得られる幸せって、多くは長続きしないし(長続きがさらに長続きすれば、この世で最も尊いとされる「愛」に変質するらしいけど私にはわからないので書けない)、人生には自分を緩める時期も必要だと思うので、まぁ、お互いそうピリピリせずに、幸せになりましょうということで、綺麗に締めくくらせていただきます。

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