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無名の新人作家は、稀代の傑作よりも出来の悪い三文小説を読め!? スティーブン・キング小説作法

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素晴らしい傑作は、適切な人物描写、完璧に整合した結末、上手なセリフ運びなどの技術を教え、感動を与えてくれます。

しかし一方で、単なる一読者を小説家志望に変え、「こんなすごいの、自分には生まれ変わっても書ける気がしない」という絶望に突き落としもします。

小説家志望者は、「稀代の傑作」をお手本にしてはいけない

稀代の傑作とは、往々にして「ものすごい才能」か「長年の努力」かもしくはその両方の掛け算によって奇跡的に生まれる産物です。

強すぎる憧れは、時に、自分に秘められた可能性について人を盲目的にさせます。

しかし、これを読んで「自分も」と真似しようとするのは、生まれて一度も泳いだことがない人間がイアン・ソープを見てオリンピックで5つ金メダルを取れる、浅田真央のジャンプを見て自分も飛べると思うのと同じくらい無謀です。そのチャレンジは限りなく100%に近い確率で失敗します。

例えばこんなん↓

出来の悪い作品は「自信」と「してはいけないこと」を教えてくれる

逆に、出来の悪い作品はどうでしょう。

あえてここで作品名を挙げるようなことはしませんが、ビミョーな作品や出来の悪い小説を読んだ後は、「これだったら自分にも書ける。いや、もっと良いものを書いてみせる」と思って本を閉じませんか?

無名の新人にとって、すでに売れている作家よりも良い作品が書ける絶対の自信以上に力強い励ましがあるでしょうか?

さらに、出来の悪い作品は、小説家志望者に「してはいけないこと」を教えてくれます。例えば、明らかに必要ない人物の外見的特徴の描写、説教臭い作家の演説、わかりにくい比喩、ご都合主義的な物語展開etc…

新人の場合、出来の良い作品よりも、出来の悪い作品に教えられることの方が多いような気がします。

読むことは創作活動の柱

とにかく、よく読み、よく書くこと。

スティーブン・キングは、仮にも小説家志望を名乗るなら、毎日5〜6時間は読み書きに充てるべきであると推奨しています。

この日課が苦痛に感じるようなら、小説家を目指すのはやめたほうがいいかもしれない、と。小説を読んだり書いたりするのが楽しくて気がついたら5〜6時間経っていた、というくらいでないと小説家として生きていくのは難しい、と。至極当然のことをおっしゃっています。

逆に、これが続けられるようなら、少なくとも才能が与えられているということです。

もし才能を与えられているなら、どうしてその才能で勝負しないのか?

アンソニー・トロロープ(1815年4月24日-1882年12月6日)

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本職は郵便局員。毎朝出勤前の2時間半を執筆にあて、青雨寒暑に関わりなくこれを厳守した。600ページの作品を完成して15分余れば、「完」と書き込んで原稿を脇へ置き、ただちに次の作品に取り掛かった

ジョン・クリージー(1908年9月17日 – 1973年6月9日

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28個の筆名で600冊以上書いた伝説の小説家、ジョン・クリーシー(John Creasey)。ジャンルはクライム・サスペンスとSF。何作かを2日間で書いたこともあるという逸話も残っているほど筆の速い小説家でした。

現在は文学賞の名前にもなっています。ダガーが贈られるなんて、素敵ですねぇ。

ジョン・クリーシー・ダガー賞又はニュー・ブラッド・ダガー賞(CWA John Creasey (New Blood) Dagger )は、CWA賞の一つで、英国推理作家協会 (CWA) がその年の優れた新人作家によるミステリ小説に与える文学賞。CWAの創設者の一人であるジョン・クリーシー英語版を記念して1973年から開始された。受賞作は過去の受賞者による投票で決定し、受賞者には1,000ポンドの賞金と装飾を施されたダガー(短剣)が贈られる。

それにしても、、、これは天文学的な数字ですよ。ホントに人間でしょうか? 1930年(22歳)に1冊目が出版されたので、そっから数えると43年間で600冊、年間平均14冊ですよ!?(ノ▼ο▼)書きすぎだよ〜月1冊以上のペースで書いてるもの。しかも短編じゃないですよ。ハードカバーの長編小説ですよ。

※「ボッコちゃん」で有名な星新一もショートショートを2000本以上書いたと言われていますが、彼は一本が10〜20ページ短いですから比較は難しい。

参考文献

「ミザリー」の構想を思いついて書き始めるまでの色々とか、効果的な比喩とは何か?とか、構想を練ることと作品の流れを自然に任せることは両立しない、など、ものっっっっすごく参考になる話が書いてあります。

とりわけ私が感動して、思わずメモに書き留めたのがこの一節。

作品を書くのは、地中に埋もれた化石を発掘するのと同じである。作品は、以前から存在する世界の知られざる遺物なのだから。

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